第10話踊り娘隊現る7

「ふう。」

彼女は、冷酷な瞳で、消滅するのを眺めていた。恍惚とした表情で消滅する最後の一体を。

「存在価値がないのに、何で存在するんです?」

聞いても意味がない。そんなことは、彼女も理解していた。これは、質問であって質問ではない。

「それは、神のみぞ知る。ということでしょうか?」

一体何故、こんな生物が存在するのか。それは、作った本人にしか分からない。興味本位というのもあるかも知れない。

「まあ、わたくしの存在価値も貴方達が消えれば、無くなるのでしょうね。ふふっ。」

少女は自嘲気味に笑った。

それはそうであろう。人間というものは、何でも当たり前にする。本来、不変でない筈の「平和」までも。そして、「平和」をつくった者に感謝しなくなり、最悪の場合、必要ない、と殺されるのだ。継続すれば良いだけだから、と。そして、「平和」でなくなり、「平和」であることの有り難みを知る。「平和」をつくる者が現れる。「平和」になる。「平和」が当たり前になる。の繰り返しである。

歴史は繰り返す。まさにその通りである。

「私は、人間も、ゾンビも、同じくらい嫌いなんです〜。いっそのこと、どっちも居なくなってくれればどれだけ良いでしょうか〜。」

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