第3話危機

街中に化け物が現れてから、数日後。

「エイミー…。本当に来るのかな…?」

「信じるしかないわ!」

イドの頭の中では、最悪の事態が展開されていた。このまま、誰も助けに来ず、街中ウロついているゾンビに見つかって、食べられて死ぬ。という事態だ。

「まさか…イド、私達がゾンビに食べられちゃうとか考えてる?」

「い、いや…?そ、そんな事、無いよ…?」

エイミーが訝しげな目で見てくる。エイミーにはお見通しみたいだ。

「え、エイミー…。俺、部屋に戻るね…!」

イドは急いで部屋に戻った。そして、ベッドにダイブする。イドはそのまま眠りについた。


「グオオオオオ!!!」

ゾンビが人間を見つけた時の声で目を覚ました。

べチャリ、べチャリ。どこかを登る音が聞こえる。

恐る恐る、窓の方を見る。結構、ここから近かったような…。って、あ!

「電気消すの忘れてた…!」

ゾンビは、電気に反応するのだ。朝や昼ならば、目立たないが、夜になると、外は真っ暗。必然的に電気ついてたら目立つ!

イドは、急いで電気を消した。

幸い、まだ、自分の姿は見られていない。

だが、登る音は止まない。

べチャリ、べチャリ。

イドは急いで、部屋を出た。そして、その部屋の鍵を閉めた。

エイミーのもとへ行く。

エイミーも起きていた。

「ゾンビが壁をよじ登る音が聞こえるのだけれど…。」

「ご、ごめんなさい…!俺、電気消すの忘れてた…。」

「はあ、全く…。イド、私の話を良く聞いて。」

「うん…。」

エイミーは話し始めた。話を要約すると、こうだ。

ゾンビが壁をよじ登って、イドの部屋に入ってしまったら、イドは急いで裏口から逃げること。その時、エイミーは表口から出て身代わりになる。

ゾンビが家の中に入って来なかったら、明日逃げること。

「わ、分かった…。」

そこで、よじ登る音が消えて、肉を打ちつける音が聞こえた。窓を割ろうとしているのだ…!

バリンッ!

窓が割れる音がした。

べチャリ、べチャリ。

イドの顔が真っ青になる。

「イド、スタンバイして…!あなたの事、絶対忘れないから!」

エイミーは、優しく微笑んで、表口に向かう。

「エイミー…!」

イドの目から水が出た。

イドは裏口へ急ぐ。

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