第37話⁂怪しい母と娘⁈⁂
いさかいの、さ中に唯一のA氏の親戚を探し当てる事に成功した、中元と貴美子。
2人にしてみればどんな事をしても怪しい初美を追い詰めて、インチキ女初美を追い出して優位の立場に立ち、万里子お嬢様を引きずり降ろして、可愛い我が娘小百合を第一継承者にしたいばかり。
これで全て白日の下に⁉
このA氏の親戚とは新潟県上越市に嫁いでいる、A氏の3歳上の千代と言う女性で
1966年9月現在70歳。
何故探し当てる事が出来たのか?
それはA氏のプライべ-トダイアリ―から、唯一新潟県の従妹の住所が見つかった。
A氏の妻に問い質しても、もう新潟県から横浜に引っ越して来て長い月日が経っている為、殆ど付き合いは無かったとの事。
唯一の頼みのA氏の両親は既に亡くなっているし、妻子は地元横浜出身だから………。
それでも、プライべ-トダイアリ―から住所と電話番号が分かり、早速電話を掛けてみた。
「○○さんのお宅ですか?…あの~わたくしは、【ATホ-ム】で社長秘書をしていた中元と申します……千代さんの従兄弟でAさんが我が社のお客さんだったのですが、残念な事にAさんは事故で亡くなられましたが、私達もひょんな事からAさんが、死亡する直前に会っていた女性が分かって来たのです。……わたくし達も折角の大切なお客様の不慮の事故を知る人物が、もし事件に関与しているとなれば大変な事です。その人物は私達もよく知っている人物なのです…そこで千代さんに是非とも聞きたい事が有るのです。……ひょっとしたら死の真相が分かるかもしれません。千代さんはお見えですか?」
「アッ?……ハイ⁉少々お待ちください」
「ハイ!千代ですが……?」
「アッ‼千代さんですか?……誠に不躾な事を聞いて失礼とは思いますが?Aさんが死の直前に井上幸子さんという女性と会っていたらしいのですが、井上幸子さんは大空襲で亡くなっているのではありませんか?」
「アアア~!そうです。その通りです」
こうして貴美子は初美の証言に疑問を感じ、初美の母和子が当時入院していた病院に問い質してみた。
するとやはり、あの事件当日初美の母は、肝硬変で入院中だったことが判明したのだ。
「一体井上幸子の成り済ましは誰なのか?……あなた折角ここまで分かって来たのに~悔しい!」
「本当だよな~?初美さんのお母さんの最近の写真もやっとの事、社報から探して、当時を知る唯一の男性でカ―マニアの男性も、絶対に間違いないと言っていたのに?……それでも何か裏が有るに決まっている!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「フフフフ何とか私達も逃げ切る事が出来たわね!」
初美と母和子は安堵の表情を浮かべながら、胸を撫で下ろしている。
「まさかあんな事になるとは思わなかったのよ?」
「それでも……お陰で過去を知る唯一の人物が、この世から消えてくれたのだから~フフフフ!これで安心ね!」
一体あの夜何が有ったのか……?
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