赤い月光！

第2話⁂絶頂期！⁂

　18歳で東京に出て来た静子は、大物アーティストの後ろ盾もあり大手事務所に所属している。

　昭和の音楽♪テレビ業界が輝いていた華やかりし時代の事だ。

　1970～80年代、人気の音楽番組『ザ・ベストテン』は最高視聴率41,9%。

　またバラエティ―番組『8時だヨ！全員集合』は全体の平均視聴率は27.3%で、最高視聴率は1973年4月7日放送の50.5%。

「お化け番組」「怪物番組」と呼ばれた『8時だヨ！全員集合』は、「土曜8時戦争」の中でも破格の数値を上げて視聴率競争でもほぼ無敵の存在だった。

　50.5%という数値は、日本のバラエティ番組史上の最高視聴率。

　このため、『8時だヨ！全員集合』が全盛期を迎えていた頃は、TBSでは土曜夜のプロ野球中継が組まれることはほとんどなかった。

　70年代の夏のファッションでは、派手な柄のシャツを一枚で着こなすことが、70年代風のファッションの際に意識するポイントだった。

　また70年代では、自由なファッションスタイルを求めた、ヒッピーカルチャーから生まれた、ヒッピーファッションを外すことができない。

　60年代フォ－クシンガ—達が、その先駆けとなり、あの当時の若者達は長髪に、ひと際目立つ鮮やかな色使いのシャツを一枚で着こなす、ヒッピーファッションが人気だった。

　ヒッピーファッションのアイテム:ベルボトムのデニム

ベルボトムとは、日本ではパンタロンの事だ。

　丁度その頃。日本ではフォークソングが流行し、「学生街の喫茶店」で知られるガロなど、フォークシンガーが長髪にしていた事もあり、流行したと思われる。

　窓の外に美しい街路樹が見られる喫茶店＊✰

　あの当時、アンティークのジュ－クボックスから流れる♪メロディー

　出だしのイントロが何とも独特な「学生街の喫茶店」

　三人が織りなすハ－モ二－が魅力的な低音ボイス*。✶

(^^♪ダークでクールな、独特の美しい世界観をかもし出して・・・🎶

　ふっとあの当時、1970年代の昭和レトロな街並みと、アンバランスな西洋ファッションで溢れ返っていた時代が走馬灯のように……溢れ出して………。

　西洋に追いつけ追い越せと、誰もかれも西洋ファッションの真似ごとをして、あの当時の世界的有名デザイナ—KENZO、山本寛斎、イッセイ・ミヤケ、イブ・サンローランなどのファッションを取り入れた若者で溢れ返っていた時代。

　まだまだ到底西洋人にはおぼつかない体系の人々も、少なからずいた時代。

　高度成長の波に乗り新時代の幕開けと共に、誰もかれも西洋ファッションの真似ごとをして、あの当時の有名デザイナ—のファッションを取り入れ、街を闊歩する若者で溢れ返っていた時代。

　誰もかれも夢を抱き、夢に突き進み、邁進していた時代。

　まだ夢中半の途上ではあったが、あんななにも誰もかれもが、目をキラキラ輝せていた時代が有ったなんて。

　あれは只の蜃気楼だったのかもしれない*⋆✶

◇◇◇◇◇◇◇◇

　静子は芸名を『白崎緑』と改名。

　スタ－ダムに上り詰めて行く。

　1980年、25歳の緑は絶頂期を迎え、曲作りに大わらわ！

　そんなさ中に、緑とスポンサー契約を結んでいる企業、国内最大手の電機メ－カ－山下電機社長の長男、山下勉と打ち合わせで接する事が増えて行った。

　元々緑の才能に惚れ込んでいた勉は「何としても緑を我が社のイメ－ジアップの為にＣＭに起用したい」

　そしてＣＭに起用される事になった。

　やがて勉の猛プッシュで、2人は付き合い出す事になる。

　日本の電機メ－カ－が独壇場だった時代。

【1970年代から1980年代にかけて、日本の家電産業には、次々と新しい商品が登場。輸出産業の花形でもあった。

単なるコスト競争力だけでなく、テレビやVTR、ラジカセなどのAV機器は隆盛を極めた。

1971年に157万台だった輸出台数は、カラーテレビはピークとなる1985年の1342万台まで一直線に伸び続けた。

海外生産も1136万台に達し日系メーカーによる勢いも増していった。その競争力のほどがわかる。またVTRも日本企業の独壇場で日本企業の間で争われていた。VHS方式とベータマックス方式による規格争いも、日本企業の間で争われていた。】

　1985年2人の結婚式には政財界、芸能界から多くの招待客を招いて絢爛豪華な結婚式が執り行われた。

　緑は音楽シーンでもトップに躍り出る事が出来て、更には日本最大企業の次期社長夫人に収まる事が出来たのだ。

　まあ～これだけの才能と美貌の持ち主だから、当然と言えば当然……？

　だが、この裏には計り知れない策略が隠されている。

　それは緑の出自が関係している。

　そこには思いも寄らない？？？