第2話

「さてと、何をしようかなって、、えぇ?!」


 あまりにも多いユーザーの数で普通に驚いた。


「発売日当日のAM0:14なのに、こんなに人居るんだなー」



 今はとにかく、あまり差のない団子状態。

 つまり、行動の早い奴ほど、先頭に立てる。


「負けてられないね。まずはショップで何、買えるか見てこよう」



〜ショップ〜


「はいらっしゃい。お? 見ない顔だね。新しく移住してきたのかい?」


「えぇ、そうですね。そんな感じです」


「そうかい、そうかい。この地域はちょっと変わっているから大変だろうに。商品お安くしとくよ」


「「イベント発生。「見ない顔」

 これは、ショップで販売されている品の価格が通常の30%で販売されています。(初回会話のみ有効)」」


 えぇ!? このイベント強くない?

 でも初回って事は、この取引画面を終了した時点で割引が使えないって事だよね? 多分。


 所持金は、えぇっとですよねー50Gですよね。


 七割引でも、傷薬ぐらいしか買えないじゃん。


 何か売れるものは、そうだな。スキル「テイム」が売れる。


 え? スキルって売れるの? あ、分解してからって書いてある。


「「スキルの売却は、既に使用された強化アイテムを分解し、強化アイテムのみを販売します。しかしTierが一段階下がってしまいます。売却しますか?」」


「はい!」


「「売却しました。スキル「テイム(T0)」を入手しました。

 80000Gを入手しました」」


 八万?!


 もしかして私、やらかした? 普通、販売価格って購入金額の半額のはずだから。またスキルのTierを上げる為に160000Gも必要ってこと?


「どうした? お嬢ちゃん。品物に何か不満でも有ったのかい?」

「え? いえ。ちょっと自分がやらかしたなーと」


「そうかいそうかい。そんなお嬢ちゃんに素敵な物を販売してあげよう。見た目からして鷹匠だろ? これはな、幸運装備って言って、この世に一着しかない素敵な装備何だ。価格はなんと、200000Gでどうだ?」


「「イベント発生「悩める子羊」

 一定確率(0.5%)で、発生する幸運イベントです。特別な装備を購入可能です」」


 200000G? 今、七割引が効いているから、60000Gか。買っておいて損は無いはずだよね?


「はい。買います!」


「おう、お嬢ちゃんそうこなくっちゃ。支払い金額は60000Gだ。毎度あり!」


「「幸運のコート(T0)を入手しました」」


 どこが幸運なの? それに防護値がクソ雑魚じゃん。

 でも初期装備より若干強いからいっか。


 あ、そうだ。ショップの下見も済んだし、レベリングもしないと。


「ショップのおじさん! モンスターって何処にいますか?」

「モンスター? あぁクリーチャーの事か。クリチャーなら、ここから5KM先の森にウジャウジャ居るぞ。でもなお嬢ちゃん。今魔法陣が壊れていて自分の足で行かないと行けないんだ。ざっと一時間はかかっちます」


「だから、この街に人が多いんですね」


「って事だから、ちょいとばかし難しいかな」


「分かりました。頑張ってみます」


「くれぐれも注意してな。森のクリチャーにはワイバーンとかドラゴンが潜んでいる事もあるから、死ぬなよ?」


「はい分かりました。」



〜森〜


 って事でやってきましたー! 森!


 来たことはいいんだけど、何も居ないじゃん。


「せっかく動物と触れ合えると思ったのにー!」


 大声を出したからだろうか? 木々にとまっていた鳥類が一斉に、また逃げるように飛び立っていった。


「もふもふ狐のクリーチャー。猫耳娘のクリーチャー。なんで居ないのぉ? パッケージには居たじゃん!!」


 そんな事を呟きながら泣き喚く私。今思えば人が居ないとはいえ、ちょっと恥ずかしい。


「何じゃ? 余の縄張りで何をしておる?」


「うわーん。狐のお姉さんが居ないぃ!」

「お主! 聞いておるのか!」


「え? 狐のお姉さん?」

 目の前に居たのは、もふもふ狐のお姉さん? 違うロリだ。

 唐突だなーと思いながら目を丸くする。


「お主の目には、余がお姉さんと見えるのか。まぁいい。ここに何をしに来た」


「え? いえ、何もしようとしてません。だけどちょっと半獣半人の人達が居ないかを見に来ただけです」


「余の姿は、それに当てはまるか?」


「はい! もうそれはそれは、絵に書いたかのうようなイメージ通り、いやそれ以上に、美しく可愛いです!」


「そうか、ちょっと照れてしまう」


「もう、可愛すぎて抱きつきたくなりますよ。失礼ながらも言いますが、いいお胸ですし!」


「「クリーチャー名「狐火」 属性、霊&焔 敵対クリーチャーです」」


「そうか、この姿の元々持ち主に感謝せねばな」


「「説明 ...狐火は人を喰らいその姿に化ける事が報告されています。また霊術を用いて精神攻撃また、人魂として火術を使います」」


「え? 狐さん? その人魂みたいのは何ですか?」


 瞬きをした瞬間に、私の周りを回る青白い人魂が姿を表した。


「これか? そうだな。なんと説明しようか。余の使い魔じゃ」

「使い魔?」


「「状態異常、「呪縛」を確認。状態異常「呪縛」により精神ダメージを確認。HPが48減。残りHPは2です」」


「なるほど。狐さん。 私を殺してどうするおつもり?」

「喰らう。それ以外の目的は無いのじゃ」


「「幸運のコートの効果が発動しました。状態異常が全快します」」

「何? 余の呪縛を解いただと? お主、何者じゃ?!」


「え? ただのソシャゲ廃人もとい、作業厨の女の子ですよ? スキル「テイム」を使用! ソシャゲで「1%」は「絶対」なんだよ!!!!」


「「スキル「テイム」を使用します。MPを2消費しました。残りMP28。テイム成功確率は0.01%(+1%)です。 失敗しました。クールタイムは2秒(-1秒)です」」


「スキル「テイム」の自動使用に設定」

「「設定しました」」


「呪縛を解いただけで余に勝てるとでも? 笑わせてくれる。 死ね。魂すらも喰らい尽くせ、スキル「陰火(T?)」!!」


「「状態異常、「幽闇」「呪縛+」「狐火++」を獲得。「呪縛」「狐火++」のダメージまで五秒」」


「お主は次期に死ぬ。余に会った故にな」

「「スキル「テイム」を自動使用」」


「お主が息絶えるまで参」

「「テイムに失敗しました」」


「弐」

「「テイムに失敗しました」」



「壱」

「「テイムに失敗しました」」



「「スキル「テイム」を自動使用」」


「「状態異常「呪縛」によりHP、589減。HPが0になりました。


 個体名「狐火」の保有する、スキル「碧眼(T3)」が自動発動します。対象のHPが0以下の場合、「昇天(リスポーン)」を待機、HPを全快」」


「「幸運のコートの強化条件が満たされました。幸運のコート(T0)は幸運のコート(T1)に強化されました」」


「え? 私生きてる?」


「お主ー! よくぞ生きて戻った!」

「え? 同じ個体だよね?」


「「左様です」」


「余は、元々このような喋り方なのじゃ。あれはのぉ、ちょっとカッコを付けてた、だけなのじゃ。これからよろしくな!」


 何かが壊れ始めたような気がします。


「「「クリーチャー名「狐火(T?)」を獲得しました。詳細を表示させます。


 1→スキル「狐火(T?)」 


 2→スキル「碧眼(T3)」 


 3→スキル「陰火(T?)」

 

 4→スキル「人魂(T?)」 


 5→スキル「主」


 6→スキル「霊能」


 7→スキル「人魂収集」


 8、9、10→空きスロット


 ステータス、不明」」」

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