39.父になる事、皇帝になる事(上)  公爵視点

 私が摂政皇太子になる事を承諾すると、結婚式のついでのように立太子式をされ、兄夫婦はあっという間に帝宮を去って行った。兄の体調はもう限界で、なるべくストレスの無い生活に早くしてあげたいと皇妃様がイルミーレにしきりに言っていたらしいから仕方が無い。私とイルミーレは仕方なく慣れ親しんだ離宮から帝宮へと引っ越した。


 帝宮は兎に角重厚で古臭く、何もかもが気に入らなかったので、内装から家具から全部やり直した。離宮は私の好みに何年か掛けて改装していたのだが、そんな時間は掛けられない。家具は離宮から移動し、内装の目立つところは転居までに改装させ、それから細かい部分は少しずつ直す事にした。しかしイルミーレは特に気にならないようで、皇妃様が整えた内装をそのまま使っているようだ。


 イルミーレは基本的な部分で生活が質素だ。あまり自分から金を使う事をしない。歴代の皇妃の中には自分好みの別棟を帝宮や離宮の丘に何件も建てて国庫を傾けたり、金に糸目をつけずに宝石を大量に輸入したりした者もいた。それに比べればイルミーレは全然お金が掛からない皇太子妃であると言って良い。必要とあらばドレスや宝飾品も買うが、必要が無いのにお金を使う事はしないし好まない。


 だから実はイルミーレは、緊縮財政を好む宰相や財務大臣と物凄く気が合うらしい。私は金食い虫たる軍を贔屓する傾向がある。そのため、摂政皇太子となった私が軍への過度な予算の投入をしないかと宰相や財務大臣は非常に警戒しているようなのだ。その彼らが目を付けたのが、皇太子妃としては非常に質素な生活をしているイルミーレだった。何しろ、彼らは毎日帝宮に出勤してくる中で、内装を大改装している私と、一切手を付けずに暮らしているイルミーレを比較して見ているのだ。彼女が緊縮財政派だと直ぐに分かったのだろう。


 彼らはイルミーレに面会し、私が軍に予算を投入し過ぎると訴えたらしい。イルミーレはその意見を丸のみにはしなかったようだが、色々書類を持って来させ、調べた上で私に言った。


「確かに、軍は国家予算に対してお金を掛け過ぎですね」


「しかし、軍を維持するにはどうしても必要な金額では無いか」


「軍の規模が大き過ぎるのです。先の皇国との戦いでも帝都から遠征したのは15万だったではありませんか。常時20万人の兵員を抱えているのは非効率です」


「皇国と別の国が連合して二方面作戦を余儀なくされたらどうするのだ」


「皇国以外に10万人規模の軍を動員出来る国は大陸に無いではありませんか」


 むう。私は少し腹を立てた。イルミーレは色々調べたようだが、軍事については私の方が専門家である。軍事の素人であるイルミーレに私の意見を否定出来る知見があるとは思えない。


「この件について君の言う事を聞く気は無いぞ」


 私が突っぱねると、イルミーレは少し考えるような素振りをした後、こう言った。


「分かりました。アルステイン様が必要だというのなら必要なのでしょう。ですが、実際問題としてただ20万の兵員を抱えている予算が帝国に無いのは事実です。ですから、その兵員をただ軍事に使うだけでなく、他に転用しましょう」


「は?転用?」


 イルミーレは頷いた。


「軍をただ軍だけで抱えている贅沢は帝国には許されません。予算的に。ですから軍は平時に別の事をしていてもらいましょう」


「まてまて。それでは常備軍の意味が無い。いざという時に即応出来てこその常備軍だ」


 イルミーレはまた頷いた。


「分かっておりますよ。ですから、軍隊には国境付近に屯田兵として入ってもらいましょう」


 屯田兵?どこかで聞いたような?私が首を捻っているとイルミーレが説明してくれる。


「帝国創成期からしばらくは当たり前だった制度です。常備軍を抱えるほど国力に余裕が無かった初期の帝国は、国境付近の開墾と整備を軍隊にやらせていました。それが屯田兵です」


 ああ、そう言えば歴史の授業で習った覚えがあるな。


「国境付近はいつ騒乱に巻き込まれるか分かりません。無防備な農民を入植させるわけにはいかなかったのも理由でしょう。それに軍隊が組織的に開墾整備を行えば効率良く開発が出来ます」


 同じ事を現代でやろうというのか。しかし。


「それでは軍隊とは呼べないだろう。訓練はどうするのだ」


「屯田兵に当てるのを古参兵、十分に訓練が既に行き届いた者たちにすればよろしゅうございます。彼らならいざという時には自力で対処する事も可能でしょう。それに満期除隊に対する報奨金の問題もあります」


 満期除隊の報奨金?


「帝国軍には20年勤めあげたら満期除隊で報奨金を与えるという制度がございますね?古参兵になればなるほどその制度の適用が近くなります。開墾した土地を金に替えるという制度にすれば、報奨金についての予算削減と国土の開発が同時に出来ます。自分たちの土地になると分かれば真剣に開発するでしょうし、真剣に守るでしょう」


 意外な方向から攻めて来た。確かに、帝国軍にとって満期除隊の報奨金の予算は負担が大きく、悩みの種になってはいた。それが解決すれば帝国軍の予算には余裕が出来る。


「・・・しかし、開発を行う土地はどうする?報奨金の代わりとして扱うなら、それなりに良い土地で無ければならないが・・・」


 イルミーレはまたまた頷き、言った。


「旧ワクラ王国がよろしゅうございます」


「ワクラ王国?」


「人民が少なく、土地は整備すれば豊かになる可能性があり、街道はまだ整備されておらず、南にはバイス王国があり備える必要があります。屯田兵を置く条件としてはぴったりです」


 ・・・確かに、旧ワクラ王国の整備を行うのはワクラ地域の帝国化を急ぐ意味でも急務ではある。国土省や街道省からも要望が届いていた。人員と予算の配分、国境の防衛方法など課題は山積みだった。それが屯田兵を送る事でかなり解決するだろう。皇国がバイス王国やフレブラント王国と結んだ場合の備えとしてもワクラ地域に多数の屯田兵を置くことは理にかなっている。


「・・・分かった。検討してみよう」


「ありがとうございます」


 イルミーレはニッコリ笑った。その笑顔を見て、私は少し癪に障る思いがした。私は少し意地悪く言ってみた。


「しかし、そなたが私よりも宰相や財務大臣の方を優先するとは思わなかったな」


 その瞬間、イルミーレの顔から笑顔が消えた。柳眉が逆立ち、ビックリするほど目つきが鋭くなり、ブルーダイヤモンドの瞳が雷光のように光っている。私が初めて目にするイルミーレの怒りの表情だった。私は思わず仰け反る。万の大軍を単騎で迎え撃ってもこれほどの恐怖は覚えないだろう。怒り心頭といった感じのイルミーレに私は本能的な恐れを抱いていた。


 イルミーレは真っ直ぐに私を睨みつけながらゆっくりと言った。


「アルステイン様?それは本気でおっしゃっているのですか?」


「い、いや」


「この私に、アルステイン様よりも優先するものがあるなどと、本気でお考えなのですか?」


「い、いや、思わない。考えていないとも」


「当たり前です。私の全てはアルステイン様のためにあるのです。何もかもアルステイン様のためなのですよ!」


 ぐわっと怒るイルミーレを私は必死になだめすかした。しかしイルミーレの怒りは収まらず、彼女はその日から三日間、手も握らせてくれなかったものである。


 イルミーレの怒りがいまいち理解出来ていなかった私だが、政務を進めていくうちにだんだんとイルミーレの言いたかった事が分かって来た。


 私は今や摂政皇太子で、軍務大臣ではない。軍務大臣時代は予算は帝国政府から奪ってくるものだった。要求を突きつけ、交渉し、軍のために勝ち取るものだった。しかし今や私は、要求を突き付けられる側になってしまったのだ。


 考えてみれば当たり前の事なのだが、各省庁、国土省、内務省、街道省、水道省、鉱山省、金融相、税務省、法務省、外務省、もちろん軍務省などの様々な省庁からの予算要求を全て通していたら国家財政は破たんする。税収に対して要求が大き過ぎるのだ。もちろん全て必然性があり、その省庁にとっては必要な予算であるのだが、無い物は無いのである。


 その結果、各省庁に通せない予算が出てしまう訳だが、通せない予算が多ければ多いほど省庁には不満が出る。その際にやり玉に上がるのは、必要予算が多いのに、国土開発にも国民生活にも直結しないので平時には予算をひたすら消費するだけの軍隊なのであった。宰相や財務大臣が私に軍の予算削減を求めるのは、彼らがそう考えているという以上に各省庁からの突き上げがあるからなのだ。


 摂政皇太子である私は今度は付き上げられる側になったのである。私は今更、兄と宰相の苦労を理解した。兄は私の予算要求を黙って受け入れてくれていたが、それは私に軍権を与えのだから、と庇っていてくれていたかららしい、逆の立場なら私は無責任な私に怒っていただろう。


 しかしながら、摂政皇太子になったから軍の予算を削減します、と言い出したら私は軍からの忠誠を失ってしまう可能性がある。むしろ私が摂政になったのなら軍の予算は安心だとファブロンあたりは考えているだろうからだ。事情がこじれて私と軍が対立するような事があれば目も当てられない。


 イルミーレが提案してくれた屯田兵の制度は窮地に陥っていた私を救った。半信半疑で私が閣僚会議でこれを提案すると、宰相の表情が輝いた。


「それは妙案でございます。ワクラ地域の開発のための人員や予算が解決いたしますからな」


「?予算もか?」


「ワクラ開発が軍の計画になるという事は、軍の予算で行えるという事ではありませんか」


 言われてみればその通りで、屯田兵の給料は軍から出る給金だし、移動、糧食、資材なども遠征扱いで軍の予算から出るわけである。


「その分、ワクラ地域開発のために各省庁が申請していた予算を却下し易くなります。予算を必要部分に集中出来るようになります。流石は摂政皇太子殿下。素晴らしいご発想です」


 宰相が珍しく手放しに私を褒めた。他の大臣も概ねこの計画に賛成で、ワクラ地域に屯田兵を送り込む計画は進められることになった。


 私が危惧していたのは軍から、兵からの反応だったが、屯田兵にされる予定の古参兵からの反応は予想以上に良いものだった。


 なんでも、満期除隊が近い古参兵は報奨金が目の前にちらついているので、もう危険な戦争には行きたく無いと思っているらしく、最前線から外れられる屯田兵には志願が殺到しているらしい。報奨金を貰っても軍隊経験が長い古参兵が生活の基盤を整えるのは大変であるらしく、それが軍隊にいる内から給料をもらいつつ土地を開墾して、除隊したらその開発した土地が貰えるのなら金よりも全然良いという意見も多かった。


 屯田兵計画は軍の予算をあからさまに削減する事無く、実際には人員と予算を他の分野に転用してしまった上、円満に事実上の軍縮を行ってしまうという不思議な計画だった。私も軍務大臣のファブロンもこれで良いのか?と首を傾げている内に常備軍は三年後には15万にまで減り、必要予算も大幅に減ったのである。屯田兵たちは張り切って旧ワクラ王国内の街道を整備しで都市を建設して灌漑設備を整え、開墾を行った。軍隊が組織的にやるのだから効率的で早かった。三年後には既に大幅な収穫増により国家の歳入も増えたのだった。


 イルミーレの慧眼と発想には恐れ入るしかない。ようやく気が付いた私はイルミーレに頭を下げるしか無かった。




 摂政皇太子の仕事量はむちゃくちゃに多い。やってみて分かったが、これは兄には健康的な問題で無理だ。健康な者でも身体を壊してしまうだろう。執務の時間ではとても追いつかず、私は自室に書類を持ち込んで読んでいた。重要性は低いが確認して処理をしないといけない類の書類で、私はイルミーレとリビングに座りながら書類に目を通していた。


 ソファーで隣に座ってお茶を飲んでいたイルミーレだが、私が書類から目を離さないのを見てつまらなそうに溜息を吐いて、暇つぶしにか自分も拡大鏡を持って来させ書類を読み始めた。数種類の書類の束を手早く読んで彼女はあら?っと呟いた。


「これ、前後に矛盾がありますね」


 は?私はイルミーレが見せてくれた書類に目をやる。


「こちらの書類と同じデータですのに、違いがあります。どちらかが間違いでしょう」


 ・・・本当だ。そのデータを基準に徴収量を策定しているのに違っていてはおかしいではないか。私はイルミーレに礼を言って、書類にしるしをつけた。明日訂正を命じねば・・・。


 イルミーレは少し考えて、私に言った。


「アルステイン様。その様な書類の確認だけでしたら私にも出来ますわ。お手伝いいたしましょうか?」


「良いのか?君がやってくれれば助かるが、君も忙しいだろう?」


 摂政皇太子妃は主に社交方面で忙しい筈だ。


「毎日お茶会があるわけではありませんし、面会や陳情の受付も午前中だけですから。午後はお手伝い出来ます」


 イルミーレの提案を受け入れ、私は私の執務室の近くに摂政皇太子妃の執務室を用意させ、重要性の低い案件は彼女の権限で処理出来るよう整えた。宰相などはかなり驚いたようだった。前例が無いと。


「イルミーレの有能さはそなたも知っているだろう?」


 と言うと一瞬で納得したようだったが。


 実際、イルミーレは物凄い記憶力の持ち主なので、積み上がる書類を一通り読んだだけで不備や矛盾事項を簡単に見つけ出し、不正の証拠すらどんどんと見つけ出してしまった。おかげでどうせ読んでも分からないだろうといい加減な書類を出していた官僚たちは震えあがり、職務に精勤するようになったそうだ。


 私も勤勉な性質だが、イルミーレも大変な働き者で、摂政皇太子妃としての仕事の手を抜かないで、新たに加わった執務にも大変熱心に取り組んでくれた。それでいて終わってからの夜会にも元気に出席するのだから何ともタフな女性である。イルミーレに助けてもらったおかげで私の仕事には余裕が出来て、たまには軍の訓練に顔を出せるようになった。体が鈍ると取り戻すのが大変だ。私は有事には親征する予定でいたから身体を衰えさせる訳にはいかない。


 そうして新生帝国政府が上手く回り出した矢先、イルミーレの懐妊が発覚したのである。




「・・・結婚三ヶ月で子供が出来るものなのか?」


「やる事やってれば出来るんじゃないか」


 子爵になり、私の秘書官となっていたブレンが分かったような事を言った。こいつはまだ独身の筈だが。


 イルミーレが懐妊したと聞いて私は勿論嬉しかった。嬉しかったのだが、嬉恥ずかしい新婚生活が僅か3カ月で終わった事にはがっかりだった。ちょっと妊娠するのが早過ぎるのではないか?そしてベッドを別にする必要は無いではないか。私がブチブチと嘆いていてもブレンはまるで聞いてはくれなかった。


「それよりも妃殿下の仕事が出来なくなる事の方が問題だろう。どうするんだ」


 イルミーレの仕事は摂政皇太子妃としての社交、面会、陳情の受付だけでなく私の書類仕事の手伝いまでやっている。これが完全に出来なくなったら国家運営的な大問題となる。私は勿論、帝国政府の閣僚、官僚は既にイルミーレを相当当てにしていた。いなくなられると困る。


「とりあえず、社交方面はイルミーレが動けなくなったら皇妃様にフォローしてもらえる事になった」


 離宮に引き籠るつもりだった皇妃様には申し訳無いが、女性社交界を放置するわけにはいかない。代わりにお茶会や園遊会を取り仕切ってもらう事にした。夜会は私一人が出るしかなさそうだ。


「お前が一人で出ると、愛人狙いの令嬢がうるさそうだな」


 嫌な事を言うな。夜会も放置出来ないのだから一人でも出るしか仕方が無いのに。


 私は妊婦に対する認識が薄く、イルミーレが妊娠して何が起こるのかがいまいち分かっていなかった。そのため、何となく生まれる直前までは今までと同じ生活が出来るのではないかと勘違いしていたのだった。しかし、後から考えればあまりにも私は呑気だった。


 まずイルミーレは体調不良を訴えて朝に起きられなくなることが増えた。そのため、お茶会や面会の予約は入れられなくなり、お茶会は皇妃様に頼むにしても、面会や陳情は私が対応するしか無かった。


 書類仕事も執務室まで移動させることにエルグリアが強硬に反対したため、イルミーレの私室まで書類を運ばせることになり能率が落ちた。無理をさせるとエルグリアが髪を逆立てて怒るので、量も減らすしか無かった。


 食事は聞いていたほど偏食が激しかったり吐いたりすることは無かったが、日によっては食事を一口も食べられず、飲み物しか取れない日があるようだった。そして二人でいても熱っぽいのかボーっとしている事が多く、夜も早々に自室に引っ込んで寝てしまう。寂しい。


 夜会には一人で出始めたのだが、ブレンの懸念通り、ここぞとばかりに令嬢が寄って来て参った。イルミーレがいる時は絶対に寄って来ないのに。だが夜会は摂政皇太子にとって重要な政治の舞台である。出ない訳にはいかない。


 妊娠初期から既に色々大変になってしまった。私はイルミーレのありがたさをいやという程思い知った。それにしても仕事量は増え、イルミーレとの触れ合いは減り、私の疲労とストレスは増す一方だった。


 ある日、私が大変だと愚痴をこぼすと、脇に控えていたトマスがぽつりと言った。


「殿下。それは妃殿下の前でけして口にしてはいけませんぞ?」


「?なぜだ」


「妊娠で一番大変なのは女性なのです。今まで普通に出来たことがどんどん出来なくなり、体調は悪くなり、身体は激変します。それを頑張って何とかしようとしているのに、夫が自分が大変だ、などと言ったら妻はどう考えると思いますか?」


 ・・・なるほど。確かに私は自分の大変さにしか目が行っていなかったが、社交も仕事も大好きなイルミーレがどちらも出来ずに子供を産むために頑張っているのだ。一番大変なのはイルミーレだろう。それにしても。


「もしかして、トマス。言ってしまったのか?」


「エルグリアに言ってしまったらどうなったか、殿下には想像出来ますでしょう?」


 うん。分かってしまう。イルミーレが怒った時の事を思い出して私は背筋が寒くなる。トマスの貴重な経験から来る忠告だ。肝に銘じておこう。


 その内、イルミーレは体調が安定する時期に入り、執務に復帰出来る様になった。これは非常に助かった。お茶会は無理だが面会や陳情も引き受けてくれるようになったが、件数はかなり減らして私が分担した。


 日に日にイルミーレのお腹が大きくなるのは実に不思議な事だった。手で触ると中で子供が動くのが分かる。本当に人が入っているらしい。私は嬉しくなると共に心配になり、イルミーレに子供の分も食べるように言ってイルミーレに嫌がられた。


 そうしている内に月日は流れ、いつも通り執務室で仕事をしていたある日、ブレンが飛び込んできて叫んだのだった。


「皇太子妃殿下が産気付いたらしい!」




 


 

 


 


 



 

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