第15話

「はぁー」

 僕はニコニコと笑っている明日香を前にため息をつく。

「これからよろしくお願いしますね!」

「はぁー。うん。わかってる。これも僕に頼まれたことだ精一杯努力するよ」

 僕は渋々ながらも頷く。

 僕は明日香の教育係として命名されたのだ。

 魔物相手ででも立派に戦えるようにと。

 なんでこんな事になったのか。

 それは約3分前まで遡る。

 いや、めちゃくちゃ浅いな。

 びっくりするくらいに浅い。

 たった三分しか遡らない。カップラーメンを作る時間しかないぞ。

 

「はぁー」

 僕はゆっくりと息を吐く。

 僕の不注意、無神経さが原因で起こった騒動がひとまずは終着したのだ。

 思ったよりもあっさりと終わって僕も安堵している。

 今回自衛隊の人たちが放送した内容を簡単にまとめると、とある有志の方が大型ショッピングモール内でご遺体を発見したこと。避難所の現状を知らずに魔法を使ってそのご遺体を避難所に送りつけてしまったこと。とある有志の方と話をつけ、ご遺体は随時自衛隊員が責任持って持ち帰ることを約束したこと。そして最期にとある有志の方は表舞台に出るのを嫌っているため詮索しないで欲しいことといった感じだ。

 正直こんな説明じゃ納得できず暴動が起きると思っていたのだが起きなかった。

 ご遺体を見つけ、持ち帰ろうとしてくれた。

 どうやらこの事実はかなり大きかったらしい。

 自衛隊員では決して見つけられないようなところから連れ帰ってくれたと放送した成果もあるのか、避難している人たちの気持ちとして感謝が強かったらしく、何か行動しようとした人たちに対しては恩人に失礼なことをするな!と事前に他の人に潰されたらしい。

 いやー、ありがたい。

 僕が感謝し、優雅な一時を過ごしていると自衛隊員の方に呼ばれた。

 そこでお願いがあると言われ、僕は快くオッケーを出した。

 当然である。

 だって自衛隊員の人のおかげで何事もなくすんだのだから。

 この安直な考えがいけなかった。

 またしても僕の不注意だ。

 アホか!

 普通に考えて明日香がとある有志の方が僕だとわかるに決まっているではないか!

 明日香は自衛隊員のところに来て、僕に会いたいと話したらしい。

 たまたまその場に大型ショッピングモールに来ていた自衛隊員がいてすんなりと通れたらしい。

 そしてそのままとんとん拍子で話を進め、僕が明日香を教育するってことに決まったらしい。

 なんでだよ。

 後は僕の許可だけ。

 明日香が多分一度引き受けたらノーと言わないという僕の性質をしっかりと把握していたらしく、僕は明日香にあっさりと嵌められたのだ。

 なんでだよ。

 自衛隊も許可するな!そして実行するな!

 断ってやろうかとも思ったが、一度引き受けた以上ノーとは言いたくない。

 別にそこまで大変な仕事でもないから引き受けることにしたのだ。

「はぁー」

 大丈夫。

 僕はちゃんと受け入れた。

「はぁー」

 受け入れたんだからね!


 学校がオンラインじゃなくなったので、一時に投稿するのはキツくなりそうなので、辞めます。

 すみません。

 こっからは関係ないんですけど、はてなインターネット文学賞の中間結果発表の中に自分の作品が入っていたんですよ!

 嬉しかったです!

 応募していたことも覚えていなかったけど。

 『大日本帝国に転移したから、初手ソ連やるわw』

 作品名は上の通り。

 よかったら見てください。

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