第2話

 え?え?どういうっこちゃねん。

 ん?ここで僕はようやく気がついた。

 異世界ではあって当たり前のもので、現実世界であっちゃいけないもの。

 魔力が、魔力が現実世界で感じることができるのだ。

 え?

 僕の憩いの現実世界が異世界と同じ殺伐とした世界になっちゃった?

「ステータス」

 僕はまさかと思ってステータスと唱える。

 異世界でステータスと唱えれば自身の能力値やスキルが表示されるのだが……。

 

 名前:間宮 零

 レベル:99

 種族:人間種

 称号:勇者

    ■■■■■■■■■

    ■■■■■

 体力:A+

 魔力:SSS

 攻撃力:S+

 防御力:A

 俊敏:SS

 精神力:A

 運:error

 固有スキル:【災い転じて福となす】【■■■■】

 ユニークスキル:【聖剣】【究明】【傲慢】

 エクストラスキル:【魔眼】【未来予知】【英雄覇気】【精神支配】【多重結界】【無限収納】【空間操作】

 スキル:【刀術:MAX】【体術:MAX】【投擲:MAX】【弓術:3】【弱点看破】【【魔力察知】【気配察知】【罠察知】【魔力遮断】【気配遮断】【鑑定妨害】【察知妨害】【万能言語】

 耐性:【物理耐性】【魔法耐性】【熱変動耐性】【自然影響耐性】【精神攻撃耐性】【病魔無効】【状態異常無効】【呪い無効】【即死無効】


 あ……されたわ。

 ……されちゃったわ。バリコリ表示されたわ。

 え?マジ?現実世界が異世界と同じになった?

「【ライト】」

 僕は簡単な魔法を一つ唱える。

 うん。

 発動する。

 え?マジか……。マジか……。

 いや、よくいい方に考えよう。

 僕は異世界で魔王を倒したのだ。

 無双できるってことじゃんか!

 うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!

 テンション上がってきたぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!

 無双して、最高の彼女を作る!

 もしかして残りの人生イージーモードなんか!?

 ひゃっほー!

 というか、あれ?

 僕のステータスにこんな黒い四角のなんてあったけ?なにこれ?読めないし不気味なんだが……。

 魔王を倒したからか?

 もしかして魔王の呪いかなんか?

 いやでもあいつ物理特化の脳筋だしな。

 うーん。まぁ今考えてもどうしようもないよな。

 油断せずにいることしかできない。

 警戒だけはしておこう。

 とりあえずは外に出ないとな。

 お父さんとお母さんに合流しなくては。

 前々から決められている避難場所に向かうべく玄関から外に出る。

「というか、現実世界で何日経っているんだ?これ」

 外に出て目に入った廃墟のように崩れた周りの家を見てつぶやく。

 異世界から現実世界に戻ってくるときも、現実世界から異世界に行くときも、自身が死ぬという未来を避けられる過去にまで行く。

 のだが、明らかにこれは過去じゃない。

 僕が死んだ理由は確か……揚げ物をしていたら地震が起きて鍋を倒して油を浴びたことだったはず。

 決してその時は現実世界が異世界になんてなっていなかった。

 全く意味がわからないよ。

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