第6話「死にたくないから…」

そうよ… もっとこっちへ来い…


この牢屋ろうやから出られさえすれば…


必ず逃げてやるわ


こんなサイコ野郎…


誰があんたなんかに


私は男にしばられないのよ


自由になんかさせない


男はみんな私の奴隷どれいなんだから


あんたが殺したその首の男だって


本当はきてたのよ


金も底をついてきてたし


セックスだってつまんないヤツだった


全然悲しくないし…


片付けてくれて、せいせいしたわ


そうだわ…


こいつに邪魔じゃまになった男を消してもらおうかしら…?


こいつと組むのはどう…?


どうせ、最後はこいつも捨てちゃうんだもん


その時は殺せばいいわね


あっ、あいつ何か言ってる…


え…? 何…?


この島から逃げられない…?


船が無いって?


そんな…


じゃあ… ろうから出ても…


島から逃げ出せない…


こいつの自由になるの…?


イヤよ…


何が王様よ


あんたのきさきになんてなるもんか


殺してやる…


下剋上げこくじょう


王様だって家来に殺されるのよ


でも…


こいつを殺したら…


島から逃げられない…


じゃあ… 言いなりになるしか…


こいつの家…


たしか金持ちだった…


嫌いだったけど


何でも買ってくれた…


こいつは私の財布さいふだったのよ…


財布さいふのくせに


私に命令しやがって


本当は殺してやりたいけど


我慢がまんしなきゃ…


私が生きられない


悔しいけど…


今は大人しくして


こいつの言う事聞いて…


必ず逃げ出してやるわ


その時こそ殺してやる…


だから、今だけこいつの…


奴隷どれいになろう…


生きるためなら何でもやるわ


こいつのチンポだってくわえてやる


精子だってオシッコだって飲んでやる…


しりはやられたこと無いけど…


こわいけど…


でも… 我慢がまんして受け入れるわ


性の奴隷どれいにだって


我慢がまんして…


ホントは… 死ぬほどイヤ…


でも…


死にたくない…


だから…


こいつの言う事を聞こう


注射がしたいならすればいいわ


きっと、殺しはしないわよ


だって、こいつ…


私にぞっこんなんだから


さあ…


きさきにでも何でもすればいいわ


早く注射しなさいよ…


あっ… 痛い…


痛いじゃない、嘘つき


何が痛くない… よ…


変…だわ… 私…


眠く… なって…


き… た…



……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る