これは自分の為に自分が書く私小説の一つの姿

自主企画から読みに来ました。まだ二話しか読んでいませんが、最初の印象こそが重要かと思い、コメントを書かせていただきます。

ひとこと紹介でも書いたように、これは自分が自分の為に自分に語りけるように書かれたお話です。読んでいるとまるでその本人になってしまった様な錯覚すら抱きそうになります。書き手の方の性別は存じ上げませんが、男性の自分が読んでもそう思いました。

お話の中では、人が心の内で思いながらも、表にはださないありのままの感情を、叙述的な表現で淡々と語ってくれます。これはお話とは、たとえどんなに本物の人物をモデルにしようが、本当の話を元にしようが、全ては虚構なのだと思っている私から見ると、全く正反対のお話でした。ある意味で目からうろこが落ちた思いがします。

万人受けするお話とは決して言えませんが、誰かの人生を、その内幕を除く。そんな気分にさせてくれるお話です。