モノクロメモリー

いつの間にか私はこの幸せを

当たり前だと思い込んでた

右側にはあなたがいるのが

当たり前だと思い上がっていて


別れの日が来ることは

きっと心の底でわかっていたけど

見ないふり知らないふりでやり過ごして


あなたとの過ごした日々の記憶は

あまりにも色鮮やかで目が痛いほど

白黒に塗りつぶしてしまえたら

感情の機微など些細な問題だろうか


忘れないでなんて言われても

忘れられるほどの思い出を

残してくれなかったのは

あなたの方だろうに


別れ際の涙なんてみせるのは

ずいぶん卑怯な手口だこと

私もつい、私もつい、

泣いてしまうからやめてほしい


いつまでも愛してる


言葉に出さずともいいのにな

やはりこう言うときばかり

あなたは達者でずるいのだ


別れの日が来た今ではもう

あれだけの日々を彩る色が

ただ鮮やかで目に痛いのだ

心に刺さって痛いのだ


ずっと潤んだままの目も

だんだん乾いていく心も


すべてが寂しくて つらい

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