虹の先まで夢をみる

逃げたいだとか消えたいだとか

不意に浮かんでしまった感情を

噛み砕いて飲み込んで笑顔に隠して

あなたは今日も生きてるんだね


誰にも弱いところがバレませんように

あなたはそうやって願ってるだろうけど

嘘が苦手なあなたのことは

私はわかってたつもりだよ


口角のあがりさがり

眉間に刻まれたシワの数

疲れた時には瞳の中の光が減り

肩が力なく落ちて猫背になってる


全部私にはバレバレだよ


だけど私も一方同じで

理不尽と窮屈な世界の服をきて

生きていかざるを得なくて

お揃いだねと悲しい共有ばかりして

それが悔しくなってまた唇を噛む


小さな痛みをひたすらに積み重ねては

次の未来が少しでも開けるように

信じて歩きつづけてる

それでもあまりに遠い未来が

苦しくて時々夢に逃げるんだ


羽根が生えたらいいなって思うんだ

遠くにいてもあなたに会いに行けるのに


夢の中でなら許されて欲しい

飛び立って天高く羽ばたいて

あなたのもとに降り立ったら

私が飛んだ軌道が虹になっている


迎えにいくから手を繋ごう

あなたと一緒に空を飛ぼう

自由な世界へ2人で逃げよう

私の羽根を分けてあげるから


世界が2人を見上げていたら

まるで天使のようだって

きっと誰もが思うだろう

天高く飛んで踊って回ってみせて

2人で空を駆けて虹を作るんだ

誰にも囚われない空で

あなたは光り続けたらいい


だけどあなたは首を振る

寂しい顔で地上へ降りていく

離れるたびに羽根が溶けていく

待ってよどうして行ってしまうの

窮屈な世界にどうしていくの

地上では羽根はなくなってしまうのに


だけどあなたはいつもの輝く瞳で

太陽の光を散らして笑う

その足しっかり地面について

力強く踏みしめて歩き出した

たとえ今が辛くても歩みは止めない

逃げもしない


重い身体もいとわずに

いつものステップで舞い踊る

私が愛した歌と踊りを

地上にいるのに天使みたいに

軽く高く飛び上がって


ああ、楽しそうだな


こんな理不尽な世界でも

けして諦めたりしないんだ

自分が生きる世界で最大限できること

誇りを持って歩いてるんだ


夢に逃げてた自分を少し恥じて

硬い地面に座り込む


そしたらあなたは手を差し出して

2人で行こう 虹の向こうまで

この足で たとえ遠くでも

羽根がなくたって諦めないように

ずっとずっと夢見た場所が必ずあるから

ありきたりな言葉すら信じたくなってしまう


繋いだ手が心なしか私の身体を軽くして

おずおず踏み出した一歩は

予想よりも軽く遠くへ心を運んだ


目を閉じたらあの景色が浮かぶ

きっとずっと目指していけば

未来は必ずそこにある


現実の世界で見る夢も

案外悪くないのかもな

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