高校生ながら探偵をしていたら授業中に依頼の電話がかかってきて校則違反で退学になった件

ふきゅい。

第1話  俺は天才高校生探偵なんだぞ!?



俺の名は 宮原蓮樹みやはら れんき、高校生ながら探偵をしている。



きっかけは父の影響である。俺の父は探偵を生業なりわいとしていて数々の難事件を説いてきた、探偵界では知らない人はいないほどの名探偵だった。


なので俺は中学生のときに初探偵デビューをした。父親譲りの持ち前の頭脳で次々と事件を解決し少しづつ有名になってきた。


高校生ともなると探偵としても信用してもらえるようになり、最近は仕事の依頼が大量に入ってくる。




               ◆




『蓮樹ぃぃぃぃいいい!!』


元気よく話しかけてきたのは幼馴染の藤原咲良ふじわらさくら。大きな声では言えないが

俺は彼女に密かに恋心を抱いている。顔も学校でもトップレベルの美貌の持ち主で

おまけにナイスバディなのだ。


『蓮樹、ちょっとスマホ貸して〜!』


彼女に強引にスマホを取られる。


『あれ……?つかないよ。』


「咲良?俺は天才な探偵だぞ?依頼の電話がいつでも入ってきちまうんだよ〜

でも、学校では電源を切ってんだよ。万が一授業中にでもかかってきたらこの高校は校則がすごく厳しいから一発アウトになっちまうからな!」


……そう、この高校ではアニメや漫画でよくある授業中に電話がかかってきて

「先生!事件だから早退します!」的な、探偵なら絶対あこがれるシチュエーションができないのだ。これが超ハイスペック高校に入学した代償である……


『ふぅん、よくわかんないけど頑張ってね!咲良応援してる」



相変わらず咲良は可愛い。将来は高校生探偵として人気急上昇し、お金を大量に稼ぎ

咲良と結婚しようと思っている。


「咲良!授業はじまるぞ。」


『はぁい』




               ◆




数学の授業が始まった。


咲良がこちらを何度も見ている。何かを伝えようとしているのか?


 「「「プルルルルルルッッ プルルルッッ」」」


誰かの着信音がなる。どうやら休み時間中に着信を切り忘れていたようだ


『だれだぁあ?電話がかかっているのは』


教師が険しい表情で教室を見渡す。


俺もどこから音がなっているか耳で探す……



「「「「「!?」」」」」


どうやら緊急事態のようだ。僕のスマホが小刻みにふるえている……


「せ、先生。ぼ、僕のスマホで、す……」


『お前、家の高校の校則はわかっているのだろうな?家族の方からの緊急の連絡以外

携帯を使用することは全面的に禁止されているんだぞ』


「先生!これには事情がありまして、僕は探偵をしていてそれの依頼電話がかかってきたんです!」


『バカバカしい、なにを言っている?まず探偵だなんてふざけたことを言いやがって。この学校はも禁止だぞ。』


………完全に盲点だった、探偵は仕事に入る。つまり校則違反の上に校則違反ということだ。


『宮原、お前やってしまったなぁ……お前は十中八九退だろう』


僕はスマホの電源をつけていないはずだ……


「「!!」」


咲良だ。咲良が電源を切り忘れたんだ!僕は慌てて彼女を見る。


咲良が涙目になっている。相当自分のやったことに責任を感じているようだ……




「咲良………」




俺は初恋の相手がした軽い気持ちの行動で、退学になった。





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