第19話 孤独

掌に穴が空く夢をよく見た

空洞が心にできている証拠だそうだ

孤独とは寂しさを知らない人を言う

孤独とは誰にも知られない花を言う

孤独とは夜中の3時のことを言う


掌は血ひとつ滲まなかった

ただ痛くて切なかった

心が風を突き抜けたあと

空洞から化け物が這い出てくるのだ


ドゥルンドゥポトポトルルル...


唸り声を増す化け物が切り裂くよう

簡潔的に空洞を過ぎ去っていくのだ


ただ痛くて切なく

しかし血など出なくて


掌は穴ぼこだらけになってしまった


孤独な私へ向かってくるその化け物は

次に私を見つけた時

きっとその牙で

骨の髄まで喰らうだろうな

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