他国の魔物との決戦編
013 悪魔の剣 デスザークブレードを手に入れてしまった
グレイネル、リギウン、メチカライト 先輩らの試練も終わり、俺に平和な生活が戻ってきた……
「ふぁ〜あ。かなり疲れたから眠たいなぁ……もう一回寝よ……」
『おい』
「ッッへぇッ!?」
何者かに起こされた……
『何を寝ぼけている……?バロウ、起きろ』
「ハッ!グレイネル先輩ッ!すいません」
『お前に朗報だ。魔物の”武器市場”に新しい武器が入荷されたそうだ……バロウの武器も、新しい武器に変えればいい……場所はブラックパラディンに教えてもらえ』
「はい、分っかりましたぁ……」
俺はブラックパラディン先輩と武器市場に行くことになった。
◆
「ここから武器市場は近いんですか?」
『あぁ、10分くらいで着くぞ……各国の魔物が集うからな』
「各国の魔物……?魔王様の手下だけじゃあないんですか?魔物って」
『あぁ?何いってんだよ。そんなわけねえだろ!』
そんな訳ないかどうかなんて分かるわけ無いだろう。」
『魔物ってのは”3国”に分かれているんだ。”ブレンダーサイド” ”クライネムサイド”
そして俺たちの”パールデムサイド”の3つに分類される』
「そ、そうなんですか……知らなかったなぁ……」
『ブレンダーサイドのトップは”死神” クライネムサイドのトップは”アマゾネス” そしてパールデムサイドのトップの”魔王”ってことだ』
「えッ!?魔王は全魔物の中のトップじゃないんですかッ!?」
『元々は、そうだった……だが、ある一件があって分断されてしまって、力が分断されたんだ……だから、一概に魔王様が一番とは言えない状況ではあるんだ』
「ある一件って、何があったんですか……?」
『それは――あ、着いたぞッッ!!』
〜武器市場〜
武器市場に着いた……なかなか広く、武器がたくさん置いてある。見た目はよくある市場となんら変わらず、魔物で溢れかえっている……
『ん?なんかあそこにいっぱい集まってるなぁ……』
市場の中央の広場に魔物が密集している……
「「「ガヤガヤ……ガヤガヤ……この”剣”を抜けるやつはいるかぁぁぁああああッッッッ!!」」」
人混みをかき分け、中央付近に近寄る……
「「!?」」
アニメなどでよくある、地面に剣が突き刺さっているやつだ……
「「「よぉし!!おれが挑戦してやらぁッッッ!!」」」
巨漢な魔物が立ち上がった……力が強そうで、容易に抜けそうな気がする。
「「「ふんぬぬぬぬぬぬぁぁぁあああああああああッッッッッ!!!!!」」」
魔物が物凄い雄叫びをあげながら、剣を引っ張る……!!
「「「くっっそぉぉぉぉおおッッッ!!無理だチクショーーーーーッッ!!」」」
あの巨漢で無理なら他のやつに抜けるわけがない……早く武器を見に行こう――
「「 ゲシッッ 」」
「!?」
ブラックパラディン先輩に後ろから蹴り出された……
「「「 次の挑戦者だぁぁああッッッ!!」」」
「く、くそ……なんでだよちくしょぉぉぉぉおッッッ!!」
俺は剣の柄の部分をがっしりと掴んだ……
「いっくぞぉぉおッ――― 」
「「「ズボッ」」」
「へ?」
すぐに抜けた……あまり自分でも状況が把握できていない。
「「「「うぉぉぉぉおおおおおおおおッッッッ!!すげぇぇっぇぇぇぇええええええええッッッッ!!やったぞぉぉぉっぉぉぉおおおッッッ!!」」」」
物凄い歓声が上がった……なんかきもてぃ。
『それ、持って帰ろーぜ』
ブラックパラディン先輩が俺にむかって提案する……
「はい、そうしますか」
俺たちは急いで”パールデムサイド”に戻った……
◆
「魔王様ッ!!市場でこんなものを拾ったんですけど!!」
魔王様に引き抜いた剣を見せた……
『………ッッ!?こ、これはァ!!』
魔王様があからさまにびっくりしている……!
『これは”シャイニングブレード”に並ぶ伝説の剣……デスザークブレードだッッッ!!人間しか使いこなせない、悪魔の剣と呼ばれている代物だァ……それがなぜ市場に……ッッ!?』
(そうか。人間しか使いこなせないから、半人間の俺が抜くことができたのかッ!)
俺はひょんな事から、悪魔の剣 ”デスザークブレード” を手に入れてしまった……!
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