今年もまたやってきた

やわらかな日差し

温かな風と一緒に

甘い香が鼻をくすぐる季節


卒業式を

思い出すから

心の奥に映っていた

あれから会っていない友人の姿が

段々はっきりと蘇って

寂しくなる

―会いたい―


クラス変えで

今の友人と

離れてしまう

悲しくなる

―嫌だ―


黄ばんだ教科書のページをめくってみても

まだ何も習っていないような気がする

学ぶべきことを

学んでいないような・・・

学べていないような・・・

―なぜだろう―


こんな思いに

押しつぶされそうで

胸の奥が苦しくて

眠れない夜だけが

過ぎていく


だから

この季節は好きになれない

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