第四インターナショナル

北軍が「お前たち黒人はもう自由なんだぞ」と言った。

しかし彼らは私に何も与えてはくれなかった。

何もかもがなくなった。

寝る場所も食べるものもなかった。

かつての主人は、こんな状態に比べればはるかによくしてくれた。

-ジェイク・グッドリッジ-


アメリカ連合国にとってサパタ政権社会主義メキシコがトロツキーを受け入れたのは全く預かり知らぬところであった。

CIA連合情報庁は国外諜報網の予算の大半を合衆国に注いでおり、アカだが話が分かる方の隣国たるメキシコへの眼は緩かった。

公開情報からの情報収集ヒューミントには確かに【メキシコに新たな要人が訪れる】とあったが、其処にはNKVDを誤魔化す偽名の"ウクライナはオデッサから訪れた貴族からの転向者、ジョージ・オブライエン"なる人物で、大して気にもされなかった。

直ちに国境三州では州兵が動員され、連合国軍も出動待機命令を発令された。


同様に驚愕したのは合衆国だった。

OSS戦略情報局もFBIも、そしてペリー政権成立で密やかに発足したDIAも全く預かり知らぬ話だった。

連合国の慌ただしい動員は合衆国に侵略の危機を感じさせるに十分だった。

彼らファシストなどの全体主義は視野狭窄が症例としてよく出るが、時折存在するはずがない謀略を感じ取るのは歴史的に見て良くある事態である。

つまり、彼らはこの動きにコミンテルンの巨大な陰謀を、国際ユダヤ資本の暗躍を感じたわけである。

南部のクズが協商のみならず共産主義者も味方にしようとしている!


無論そんなわけがないが、スターリンとトロツキーが揉めているのは偽装で、ソ連の強化をスターリンに一任したトロツキーはユダヤ資本を使い革命輸出担当になっているのだ!と結論づけたのである。

ちなみにトロツキー氏は本当にユダヤ人だ、だから説得力がありそうに思える。

合衆国は敵対国の陰謀に対して、強力な味方を得ることを決意した・・・。

ナチス率いる防共同盟、すなわち新中欧同盟への接近である。


日英の協商はメキシコへのトロツキー亡命を冷ややかに見ていた。

ただ彼らは別の意味の危機感を感じていた、新大陸全域が真っ赤に染まるんじゃないのかと言う不安である。

日英はどちらも南米に関わりがあったし、マルビナス諸島の領有を巡ってアルゼンチンは抗議をしている。

ここに赤色革命、しかも革命輸出を主張するトロツキーが加わるとタチが悪い。

更に言えば南米の政権では汚職や暗殺は日常であり、政府とは公営マフィアと言う政権が多く存在する。

もしトロツキーが全てをひっくり返しては日英は分断され、南米が赤化するに違いない!

彼らは慌てて危機感から、南米に広汎な勢力を作ることを決めた。


南米大陸諸国家、特にその中での有力な国家はこの時期アルゼンチン・チリ・ブラジルの三国と言って良いだろう。

海軍に戦艦を有して運用できるだけの国力が存在し、ある程度安定している。

ベネゼエラは外国と関わりが深いが結局モノカルチャー国家であり外資に牛耳られているようなものであるから省く。

この三カ国は合衆国が黒色政権化した時点で危機感を感じていた、身内で喧嘩をやって意地を張るのは好きだが、横暴な合衆国や訳の分からないアカは嫌いである。

要するに地元の南米人に勝った負けたをするのは利害関係云々以前のライバル意識であるが、外から来て揉め事起こす余所者は嫌なのだ。

彼らは手持ちのカードを出し合い、知恵を絞ることにした。

そして出た結論は簡単だった。

"統一意識のある南アメリカ独立国家たち"を作り上げることで外国からの支援を円滑化し、ある程度身内で固まれるのではないか?と。

無論それに関して問題は出たが、話はかなりのハイペースで進んだ。

100年後問題になるかもしれないが、このままでは100年後の我々はアンクルサムに虐げられるか赤旗掲げてるだろう。

彼らは新しい体制を自作した、独立南アメリカ連邦、ISAFの結成である。

この時、共産主義者とはいえ外国の傀儡になるのを望まない者たちも受け入れたことから色々と60〜70年代を騒がせるのだがそれは後々話す。



ナチス率いる新中欧同盟にとってメキシコに現れたトロツキーと、そこからの外交的変化は遠いものと当初楽観視していた。

だが事態が進んでいくとヒトラーは自身の楽観視を改めるしかないと悟った。

ナチスの政策とは基本的にノリと勢いと何となくの3点で決められている馬鹿馬鹿しい政策であり、彼らに確たる骨はない。

しかしながらそれ故にある程度の柔軟さは存在していた、国軍の組織化を急速に進めながらメフォ手形のような国家的詐欺行為を開始し、反対勢力を弾圧するヒトラーは自身の美大落ちの絵の中の理想世界を実現するための障害を認識したのである。

かつては誘われるままに社会主義者と連んだこともあったヒトラーだったが、凄惨極まる連合国春季大攻勢により戦場で惨敗したドイツ帝国敗北の原因がアカとユダヤ人にあると"目覚め"て以来憎しみは強まるばかりだった。

そして内戦・・・、ドイツ帝国終戦後の大争乱はまさしく内戦であった。

ようやくローザ・ルクセンブルクたちをぶち殺したのにそれでも足りなかった。

今度はテールマンの野郎と社民党がナチスの足を引っ張っている。

だがそれでもヒトラーは怖気つかなかった、二流国家とはいえ合衆国がこっちに靡いたからだ。

ドイツ系の多いこの国にクルップやラインメタルが金を出すことで彼の国を"ファシズムの兵器廠"にしようと彼は企み、米海軍の強力な戦力を用いていけば英国と対等に交渉し、世界規模で共産主義者を包囲しようと彼は企んでいた。


ソビエト連邦、モスクワ、クレムリン


「あの山羊頭め!!」


スターリンはこの知らせに憤慨はしたものの、世界の孤児である点では変わりなかったのでソビエト連邦をどう締め上げるかについて考え始めた。

トロツキスト、メンシェヴィキ、あと自分に靡かないボルシェヴィキを抹殺しなくてはならないと彼は考えていたし、確かに選択肢としてのそれはある意味正解であった。

この頃トハチェフスキーをはじめとする赤軍の独断専行が浸透し、地方軍閥化しつつあった。

タンポフ農民反乱に代表されるように反政府運動も存在したし、労農赤軍がどこぞの軍国主義者の参謀本部よろしく暴走するなど許されなかった。

政治部の言うことを聞かない軍人、敵対派閥、反政府思想者、みんな死ぬべきだと彼は考えている。

そうしなければソビエト連邦の工業化は達成されないし、ソビエト連邦は存続出来ないだろう。


「ヤゴダの野郎、ろくに仕事をせん・・・」


NKVD長官のクビを物理的に飛ばすべきだな、彼は決断した。

そして次にトロツキーがどう出るかを思考してみる事にした。

内戦中トロツキーは「騎兵などブルジョワ的だ!」と言って全騎兵の撤廃だのをほざいていた、確かに騎兵将校は転向貴族も多いが機動戦力なしで戦争が出来るはずない。

屈辱的大敗を遂げたソビエト・ポーランド戦争のヴィスワ河の戦いで彼はそれを思い知ったし、その戦争でブジョンヌイが勇名を馳せるポーランド騎兵軍と正面から戦い食い破ってポーランド軍を蹴散らしたのを良く知っていた。

更に言えば内戦中危ないところを鉄道による兵力機動で難を逃れてきたのが赤軍だし、ウクライナで抵抗する白衛軍の奴等がコサック従えて略奪して苦労したのも知っている。


「だがアイツも考えを変えたに違いないから軍事的に口出しはせんだろう・・・問題は政治だな」


スターリンは良くも悪くもリアリストである。

そのためレーニンやトロツキーなどの幹部たちの夢想主義に相反していた。

彼らが熱狂的に全世界社会主義共和国を叫んて、全世界同時革命を信じている中そう都合よく行かんだろうと思ってきた。

1920年代半ばを過ぎる頃にはスターリンは完全にそんなことを実現出来ないと確信し、一国社会主義によるソビエト連邦の底上げを計画していた。

だがトロツキーの野望は全世界への革命輸出である。

当然、ブルジョワたちやファシストはこれを認めないだろう。


「・・・ファシストの連中に食いあわせるか?いや、ダメだ、連中は信用ならんからな」


スターリンは暫く悩み、次のコミンテルン大会でトロツキーを革命を私物化した裏切り者だと糾弾して取り敢えず影響力を一掃する事に決めた。

皮肉にも、トロツキー1番の敵対者が最も穏健な選択を選んでいた・・・。


1929年12月24日、メーコン官舎


クリスマスと浮かれ騒げるはずがスタンレイたちは予定を滅茶苦茶にされた。

トロツキーが盛大に革命ドミノを蹴っ飛ばして中米ほぼ全てを真っ赤に染め上げ、赤く染まった中米連邦を作って見せたのである。

ユナイテッド・フルーツ社などの欧米資本を蹴り出した彼らはトロツキーの革命的カリスマに乗せられ、合邦に合意していった。

今やあそこにあるのは中米共産主義連邦・・・かつてのメキシコ軍は今や人民解放軍を建軍し25万人の人民解放軍がメキシコに張り付いている。

スタンレイは訓練予定もろくに消化できないまま世界に振り回されており、遂にぶっ倒れた。

四日も徹夜したから当然である。

アイゼンハウワーの連隊戦闘団は戦前なのに士官たちを多数機能不全にさせていた。


「おかゆにしますか?それともスープにしますか?」

「・・・おかゆがいい、コーヒーも」

「ダメです、しっかり寝て下さい」


怒った顔の小さな天使に休めと命じられ、スタンレイはやむなしとそれに従った。

自身の愛する人にあんな顔をして心配されては旦那としては休むしかない。

少なくとも家庭内では彼女に指揮権がある。


《今朝英国のネヴィル・チェンバレン外務大臣は拡大主義的な赤色中米に対して強く抗議し、英国の権益を侵害する不当な暴力行為を断固として許さないと主張しました。》


ラジオ放送では英国の動向や、ヒトラーがローマで各国代表を招いてトロツキー非難の声明を出していると伝えている。

トロツキーはソ連以外の共産主義者をモントレーで開かれた第4インターナショナル大会に参加させた。

大会では反帝国主義並びに民族自決に基づくファシズム・スターリニズム及び資本主義反対の世界的及び国際的統一戦線及び人民戦線の徹底的展開並びにその効果的活動方針を決定、国外の共産勢力から支持を受けることで国際共産主義運動の敵を締め上げる狙いがあった。


《しかし北部政府はナチスドイツの援助の下軍拡を更に進め、我が国に対する有形無形の凡ゆる手段で妨害を仕掛けており》


スタンレイは辛くなったので周波数を変えた、静かなクラシック音楽の放送局に変わる。

合衆国がフリードリッヒ・ヴィルヘルム・フォン・シュトイベン以来のドイツ軍人の教えを受けるのは最悪だった、戦争にかけてはドイツ人は熟練である。

連合国軍は「実際に大戦に参加して経験を得た」点は合衆国より上だったがすぐに追いつかれてしまう。

極めてまずい。

ドイツ人達はあちこちで戦争をしてきた、マルヌで、タンネンベルグで、イーペルで、ヴェルダンで、ソンムで、彼らは戦訓著しい・・・。


《日本政府は昨日駐英大使事務官吉田茂氏をBBCの討論に出演させ、「日本政府は合衆国の"無謀な冒険主義"を強く危険視している」と》


スタンレイは日本政府がどう動くか、少し疑問視した。

日本海軍は八八艦隊計画をほぼ完了させ、戦艦戦力などで上回り紀伊型航空母艦を中心とするタスクフォースを有している。

またイギリス海軍式の遠洋海軍になった事から駆逐艦や軽巡も強化していることから、日本海軍はそのシーレーンを維持する努力を怠っていない。

陸軍も必要性に些か装備が旧式化しつつあるが、しっかりと訓練をしているし、更新の予算を割り振られつつある。

何事もなければハワイで牽制任務中の海軍をアテに出来るが、陸軍がくるとも思えない。

義勇兵師団が来れば良い方だろう・・・。


「結局のところ自立するしかないが先立つものがないんだよなあ・・・我が国は」


スタンレイのボヤキは、静かにメーコンの街の騒音に消えていった。



メキシコ第二革命と呼ぶべき事態から端を発する北米武力衝突の危機は、ムッソリーニの仲介によってなんとか本格衝突にならずに終結した。

反共という面でナチスと連帯しつつ、フランスやイギリスとの友好関係を崩さず、教皇と仲良くするという欧州の新たなバランサーとして存在感を確立させるドゥーチェの戦略はうまくいっていた。

しかしながらその結果現出した事態は恐るべきものであった、中米を統一する赤色政権の成立は事実上容認されたのだ。

トロツキーは「あくまで中米の合邦は国民に選択権がある、民族自決の範囲内であり何らの不法な事をしているわけではない」と強弁し、イギリスは強く出ようにも戦争する力がたりてなかった。

トロツキーは革命に際する損害をある程度補填し、亡命を希望する者の脱出を容認してやると譲歩し、イギリス政府のメンツを守ってやる事にし、イギリス政府もこれを口実に成果をもぎ取ったと強弁した。


ともかく、世界は新たな段階を迎えたのだ。


世界はブロック経済から勢力ブロック圏の軍事的同盟関係に切り替わり、徐々にボヤと失火が目立ち始めた。


ドイツでは社会民主主義者や共産主義者及びユダヤ人と反政府思想者反道徳的嗜好者を弾圧し始めた。

ゲッペルスは有りと凡ゆる手段で芸術的とすら言えるプロパガンダを次々と打ち出し、ドイツ人以外すらたちまち魅了していった。

例えばドナウではオーストリア・ナチス党の暴力的行為を嫌うものは多かったが、大ドイツ主義によるドイツとの一体化はたしかに好奇心と期待感を感じさせた。

軍部では保守派の老人ルントシュテットが「無謀とも言える電撃戦構想」に難色を示していたが、「機械化による人的資源の損害の抑制」を主張するマンシュタインや「機動戦が復活すれば勝てるって言ってるだろ」といつも通り人当たりが悪いグデーリアンに押されている。

茶色い制服から黒の制服に変わったエルンスト・レームとヒムラー率いる親衛隊も更に武装化、準軍事組織化を進めていき事実上の再軍備をしつつある。

既にヴェルサイユ条約は死文化しており、周辺国は未知の脅威のアカよりナチのがマシなのではないかと本気で考え始めていた。



日本では青年将校が青臭い書生論を振り翳し本気で国が良くなると考える一方、議会政治を愚弄するような献金と政治資金稼ぎにしか能が無い政治家がのさばっている。

自称リベラル議員が国会で堂々と「天ちゃん」と発言した事や天皇主権説と天皇機関説の対立については言論や敬愛や学術的な話だからともかくとして、公権力を舐め腐った右翼と左翼はやりたい放題であった。

官公庁を襲う抗日ゲリラや右翼左翼の暗殺合戦、ブチギレた農民が抗議して警官隊と乱闘騒ぎを起こし、大日本帝国の歴史は変わろうとしていた。

ただこの時期の愛国者は長期的解決より短期的に物事を急ぎ過ぎるが、バスに乗り遅れるなと彼らもそれに便乗した。

犬養首相が銃撃され負傷し、段々と昭和天皇の中には強い軍部への憤りと不信感が根付き、同じく軍部内の一部の"愛国者"達は皇軍にあるまじき者たちについて憤り始めていた。

内閣や政治家の中にも現状を憂いている人間は多く、廣田氏は永田鉄山の願いを聞き入れ外務省に待ったを掛けて中国公使館昇格問題を一旦棚上げするなどしていた。

その結果永田鉄山は彼との取引の結果朝鮮軍に出向して内地を離れ、彼とのある種の同盟関係を結んでいた。

また、東條英機は軍部の穏健的忠誠派という点から憲兵方面の応援に回り始め、海軍の永野長官などと連絡を密にして軍部の綱紀粛正を取り組む事にしていた。



イギリスではボールドウィン政権になったは良いが、1932年に遂にジョージ5世が崩御した。

何事もなければ彼は少なくとももう少し生きていけただろうが、彼の身体は最初の世界大戦以来の政治的混乱などによるストレスと、それから逃れるための喫煙でボロボロになっていた。

彼の身体に最期の一撃をぶち込んだのは次の国王になるだろうエドワード8世が「議会のみんなからもアーネスト・シンプソンとの結婚を認めてほしいんだが」などの問題発言だ。

「面倒見てた頃のヒロヒトのがまだ私のいう事理解してたぞ」と言いたくなる有り様を見てきた結果、彼はこの先の大英帝国がどうなるか本気で恐ろしく感じていた。

人妻の尻追いかけてカンデレで赤旗の歌を歌いナチスシンパとの関係性すら疑われている問題児が次の王になると言われれば当然だが。

しかし王弟アルバートもそれはそれで問題がある気がした、吃音症なのはともかく当初から彼は王になるなんて予定に入っていない。

なんなら彼にその気が全くない、彼は一介の王族海軍軍人として過ごすつもりだった。

それ故王としての教育を受けていなかった。

大英帝国はこの問題をどうにかしなくてはならなかった。



合衆国では急速な軍備拡大が行われ、危険なまでにファシズムに傾斜し、ベラミー式敬礼からローマ式敬礼に変わって言った。

最高裁判事を巡る対決で大統領は三権の分立、司法権の独立を崩壊させペリーは自身の手駒としてアール・ウォーレン最高裁判事を送り込んで見せた。

そして全て整えた事でイタリア人マフィアと無政府主義の疑惑があるサッコとヴァッゼンティの両名の逮捕を皮切りに一気に内部統制の強化を開始する。

ペリー大統領は大統領令第9006号令を宣言、有色人種・ユダヤ・反政府思想家などを"敵性市民"もしくは"非米人種"であると宣言。

新進気鋭の若き判事、ジョセフ・マッカーシーは【非米活動委員会】の結成を宣言し合衆国の正義と秩序を守る鋼鉄の兄弟ブラザーフッドオブスティールと名乗り始め、徐々に銀シャツ党に並ぶ勢力に拡大していった。

多くの合衆国の国民はこう言った事について大半は消極的支持か消極的反対者だった。

反ナチスの牧師の言う「最初ナチスが共産主義者やユダヤ人を襲った時、我々は何も言わなかった。最後に自分たちを襲ってきた時、我々を助けてくれる人はいなかった」が繰り返されたのだ。

消極的支持者は「敵性市民及び非米人種を"文明化"する」と言うアメリカ同化局101号室を恐れていた者もいたが、この不況と失業者の波から合衆国を救ってくれるのは彼らしか居ないという期待もあった。

"やむを得ない"の一言で市民が独裁制を受け入れた時、合衆国の自由は最期の鼓動を止めた。





その行いがどんなに凄惨な結果を伴うか考えもせずに。














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