第4話

 五年ぶりの外から帰った後、私の心は白く咲いていた。


 萎んで枯れそうだった心の花は、やっと色を付けることができるまでになったのだ。


 そして、私は働く決意をした。人が怖くなくなったのもあるが、あの友達とまたあの景色が見たかったからだ。アルバイトでも何でもいい、お金を稼いで友達に会いに行きたいと強く思った。


 その後は、面接など緊張したが契約社員で事務の仕事が見つかった。引きこもりだった、世の中の常識を知らない不器用な私は、仕事を始めれば沢山怒られた、悪口だって言われた。でも、それがなんだ有難いじゃないか。社会は私を見ていてくれるのだとまっすぐ受け止め努力することが出来た。言われた分頑張り、気が付けば褒められることが多くなり、人の輪の中に私はいた。


 とても嬉しかった。

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