白く咲き夢を彩る人生へ
白咲夢彩
第1話
「人が怖い、外になんか出るものか」
私の十代はその一言が全てだった。義務教育は義務なので割と頑張った。しかし、通信制高校卒業までほぼ引きこもりの毎日。外は怖いものなのだと自分の部屋から一歩も出なかった。
薄暗い自分の部屋で絶望を感じていたあの頃。周りの同級生には置いていかれて、一人取り残され、もう、人生は終わりだと自殺だって考えた。出来っこなかったが。
不登校がなんだ、心の病がなんだ。そんなもの認めるものか。外に出たら周りはおかしいと私を笑い、バカにしてくるように見えてしまっていた。
ただでさえ〝普通〟に生きられないのに、私はもっとおかしくなっていくのだと絶望した。
しかし、ある日心のお医者さんは言ったのだ。
「お外はいつか楽しくなります」
その意味はまだ理解できなかった。だが、何故かそこに希望があった。そこにしか希望を置けなかったのかもしれないが。
「沢山ご飯を食べて沢山寝ましょう」
そして、たったそれだけで外に出られると医者は言ったので、信じてはいなかったが言う通りにすることにした。
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