俺なんかしちゃいました?


 世界征服


「本当にしそうだから笑えないよ…」


 俺の力なら手に入れられないものがない、だからこそ退屈なんだ。世界征服でもしてしまいそうなほどに。


「私はさ、ヒーローになりたいんだよね、みんなを救うヒーロー。今は少しでも困ってる人を助けていい世界にしたい、だからヒーローになれる力がある伊吹が羨ましいよ」


 だから俺を救ったのか?そんなに俺は可哀想なやつだったか?


「違うよ…伊吹」


 俺はお前に生きて欲しかった、お前はただの自己中野郎だ、優しさを押し付けて、勝手に振り回しやがって、最後だって俺を置いていったじゃないか!今だってお前のせいで変なとこ連れてかれて…やらされて…ふざけんなよ、またねって言っただろ…七海


 ピンポーン



 家のインターホンで目が覚める。


「また、あいつの夢か…」


 夢でも俺最低なやつだな…一番自分勝手で自己中なのは俺なのに…

 桜、いや七海は最後の最後に俺を置いていった。最後の決戦に負けた俺の命を俺のシックの能力の封印、追放と七海自身の政府への人体実験の全面協力を条件に守ったのだ。その後七海は実験によって死亡した聞いた、最後俺のことを守ったのを後悔しただろうか。



 ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン



 玄関のインターホンが何度もなる。こいつ俺の睡眠アルゴリズム壊しといてよくのうのうとインターホンを連打できるな。一言言ってやる。いや待てよ、誰だ?もしかして七瀬?またドア吹き飛ばされる?


「おーい、起きてるかぁ?」


「げ」


 この馴れ馴れしい低い声は。




「家の位置教えたけど翌日早朝来るやつがあるかよ、俺はもっと寝たかったのによお」


「別にいいだろ、というかそうそうまだ昨日の戦いの俺を出し抜いた技教えてもらってないよな」


 俺は洗いざらい仕組みをはいた。もう仲間の真壁にバレて困るものではない。


「お前マジで変わったなぁ、前までヒョロヒョロした野郎だったのに。」


「今までの弱い自分に嫌気がさしてな」


 瞬時に嘘をついてごまかす、いつから自分はこんなに嘘になれてしまったんだろう。


「おまえそんなこと言ってるから友達できないんだぞ」


 俺は友達を作らないだけだ。きっと本気になったらきっとすぐ出来る、きっとそう、たぶんそう。


「俺は武田を倒すために力隠してるから、学園内であんま馴れ馴れしくするなよ」


 わかったわかったとめんどくさそうに真壁は答える。


「そう言えばいい計画考えるみたいなこと言ってたけど出来たか?」


 昨日の今日でできるわけないだろクソガキィ!


「まあ9割ほどな…」


 怒りを落ち着け適当なことを言う。


「すげえなお前」


「俺最強!」


「眠さで頭おかしくなってないか?」


 お前が早く起こしたせいだろこのゴリラァ‼︎

 この時誰かの執拗な視線を感じた気がしたが眠さでよくわからなかった。


 〜〜〜〜〜



 今日も学校でだいぶ疲れた。

 下駄箱で大きなついため息をついてしまう。

 昔の俺よくこんなの受けてたな地獄か?興味のないものを全て聞いて覚えろって普通に地獄じゃん。


 《聞こえますか?》


 え?!なにこの声?!俺の頭に直接?!


 《ただのテレパシーですよ、今日ようやく習得したので…これからは毎日これくらいの時間帯に情報の共有と報告をお願いします。》


 ふええ、めんどくさいよぉ


 《お疲れなのはわかってますが尻の穴ふんばって頑張ってください!》


 女の子なのに言葉が汚いよぉ


「おい、真田、ちょっとこっちこい」


 俺が学校から出ようとしたその時だった。

 佐藤先生だ、美人な女性だが男勝りな性格で、生徒にも人気な先生だ、何のようだろうか。もしかして俺なんかしちゃいました?




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