第7話

「…………っ。」

今日は日曜日。明日が月曜日、すなわち、休みではなくなると悲観する者、ただ単に休日だと浮かれる者、様々いるが、流夜はどちらにも属さなかった。

「はあ……。」

今日は日曜日。すなわち、万莉とのデートの日だ。大抵の男子は、こんな美少女とデートに行けるというだけでテンションマックスだろう。しかし、長年チェリーボーイであり、女子とデートなど夢の又夢状態であった流夜にとっては、嬉しい反面、躊躇う気持ちがあるのだ。こんな俺なんかが…、という思考が無限ループしていた。

緊張しすぎて予定よりも随分と早く着いてしまっていた。いや、確かに同じ家に住んでるんだけど、一緒に出ちゃったら、なんか…なんか…デートっぽくないじゃん!!とロマンチスト流夜が頭の中で仕切りに主張したせいだ。

さて、どう時間を潰そう…?

ふっふっふー!ここは、万莉ちゃんにプレゼントを選んでハートをゲットだぜ!

ロマンチスト流夜、お前もう引っ込んでろ!

そして、目を開けた時、目が、合った。

「万莉…?いつからここに…。」

「えへへ。ごめんごめん。さっきからずっと居たけど…流夜があまりにも考え込んでたものだから…。」

改めて万莉を見る。可憐でいて清楚。万莉にぴったりだった。デートの最初は確か…。

「万莉…!」

「何?流夜。」

「いや…そ、その…服、に、似合ってる…な。」

つまりすぎだろ!?俺!!

だが、万莉はぽっと頬を赤く染めると、

「えへへ。そうかなぁ?ふふっ、何だか、流夜に言われると嬉しいよ!流夜も似合ってるよ…!」

不意打ちに、流夜は顔が熱くなるのを感じた。

「そ、そうか…?」

「うんっ!すっごく似合ってる!」

「じ、じゃあ、行くか…!」

まずは、デートの場所としては無難な映画館に行った。だが、流夜は失念していた。何を観るか決めていなかったのだ。

「流夜、何観るの?」

可愛らしく首を傾げて万莉が聞いてくる。

「あ、い、いや…万莉が観るの決めていいぞ…。」

「本当?やったぁ!」

万莉が小さくガッツポーズをする。何だこの可愛い生き物は。

「これ観ようよ!」

そう言って万莉が選んだのは、いかにも女子が観そうな恋愛映画だった。

「ああ、そうしよう。」

あまり恋愛映画には興味がなかったのだが、万莉に好きなやつを選んでいいと言った手前、NOは言えない。


「面白かったね!」

「ああ!すごく面白かった!」

時が流れるのは早い。もう日が沈もうとしている。次で最後になりそうだ。

「最後にとっておきの場所があるんだ。」

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