負けた。そう、思った。

カクヨム甲子園2021の結果発表を見て、著者の学年を見たとき、ひどく悔しいと思った。しかし、この作品を読了したとき、はっきりと『負け』というのをはっきり意識させられた。

リアリティのある感情描写。登場人物は生々しく生きている人間のよう。
その中で、最後の蝉が、「ああ、これはフィクションなのだなあ」と夏の終わりを告げると共に物語の終わりを理解させる。

文学作品というものに勝ち負けというのはないと思う。
私は、この作品の物語、描写、全ての要素に、また、作者の筆力に負けたのだ。結果ではなく、精神的に敗北した。

今は、不思議と悔しくない。