第3話 「赤い指輪」

「サイカ叔父!

来たわよ!」


ラックとアオイは

恐る恐るサイカ叔父の部屋に入ると

青光の埃が漂う異様な雰囲気の中

壊れかけた多種多様な魔術具が散乱していた



「よく来たな!

さぁ!お前たち

中央に置いてある椅子に座りなさい!

実は、儂の長年の魔術研究がついに!

成功したのだ!!大発明だぞ!!!!」


サイカ叔父は

怪しげにニヤニヤ笑っていた


「これを見よ!」


「何ですか?それは?


サイカは、宝石箱を開けると

「赤い指輪」を二人に見せた


「綺麗な指輪ですね・・・

何か魔法掛っているように感じるのですが・・」


「さすが!ラックだ!

君に魔法の力が感じられるか?

やはり君は見どころがあるぞ!!」」


「僕は、アオイの魔術実験に

何度も付き合わされたのですよ!

この指輪が普通ではない事は

何となくですが・・分かりますよ・・」


「その通りだ!ラックよ!

この魔術実験を通して

君は未知なる経験ができる事を約束しよう!!!

報酬も弾むぞ!!」


(報酬を弾む?

そのお金の出どころはどこなのよ!)


アオイが内心腹を立てていたが

ラックの手前・・黙っていたが

サイカ叔父がよからぬ事を

企んでいるようで。。気が気でなかった・・


<とにかく!

この実験は危険だわ!!!!

辞めさせなくては!!!>



「サイカさん!

魔術実験について

もう少し詳しく教えてもらえませんか?」

ラックは不安気に

サイカを見つけていた


サイカは宝石箱から

慎重に赤い指輪を手に取った


「ラック!

この指輪を手にすると

夢の世界が現実になるのだよ!!」


「夢の世界だって!」


「そうだ!

儂もこの指輪のおかげで

良い夢を何度も見られたのだ!!


しかも夢が現実であるかのような

高揚感が強くあって

儂は日に日に若返っているように思えるのだが

どうだ?儂は今年で50歳だが

もっと若く見えるだろう?」



(う~ん 確かに言われてみれば

2歳くらいは若くなったような気がしないでもない・・)



「さぁ!ラック

この指輪を嵌めてくれ!!」


ラックは

サイカの手から赤い指輪を受け取った

「赤い指輪」は

不思議な輝きを放っており

心臓がバクバクした


そして吸い付けられるように

指輪を左人差しに嵌めた瞬間、何と!!!!

ラックの姿が透明になり

≪姿が消えてしまった!!≫


「えっ!何!?

何が起こったの!?


ラック!!!!

ラックは

どこへ行ったの?


サイカ叔父!

ラックに何をしたのよ!!!!!!

ラック!!!!!!」

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