0.02の真実

おにや「後ろにオクタンいた! オクタン瀕死、俺が抑えてる!俺が抑えてる」

おにや「オクタンアンチ外行け!アンチ外行け!」

おにや「逃げらんねーぞオクタンお前…あ」


YOU ARE THE

//CHAMPION//


おにや「あーーーー!!!! 結論構成が!!! 結論構成がっ!!!! あーーーーーー!!!!!」

おにや「…ウッ」

ビュルルルルルル!!!!!!!


2021年8月28日。

僕は初めて「射精」をした。


えぺまつり最終戦。

チャンピオンの文字が見えた瞬間、唐突な排尿感が僕を襲った。

ドクドクと僕の股間が脈打ち、パンツの中が暖かい感覚に包まれる。

一瞬僕は何が起こったのかわからなかった。

感極まって失禁してしまったのかとも思ったが、今日は大会当日。事前にやさしい麦茶を飲む量も抑えていたはず…。


無事配信は終了。失禁していたことは、ヨシキや釈迦さん、チャッツにはばれていなかったようだ。

優勝インタビューまで時間があるとのことだったので、僕は席を立ち、タップストレイと壁ジャンを駆使しながら、急いでトイレに駆け込んだ。


おにや「なんだこれは…!?」


失禁かと思ってパンツの中を確認すると、そこには真っ白な液体が広がっていた。

僕は青ざめながらその液体をトイレットペーパーで拭い取ると、目をつぶり、そのまま洋式トイレに流した。

信じられない。自分の陰茎からこんな異物が出てきたというのか…?


もしかしたら重大な病気かもしれない。

あの日以来、常に不安が頭の中をよぎり、背筋がぞわぞわする。

マイクラ動画の編集にも身が入らない。


特に最近、股間の調子が異常だ。

APEXで敵をキルすると、変にムスコが膨張してくる。

それまではウィングマンのようなサイズだった物が、まるでピーターのように鋭利に尖ってしまう。痛みは全くないので、怪我などではないようだが、自分の体なのに不気味で仕方がない。


はんじょうに相談しようとも考えた。

しかし、自分のイチモツの話なので、なんだか恥ずかしくて踏ん切りがつかない。

それに、僕が股間から白い液体の出る異常者だと知ったら、彼は今まで通り接してくれないかもしれないし…。



1週間悩んだ結果、僕はこのことを加藤さんに相談することにした。

彼は元医療従事者でもあるし、体の不具合にも詳しいはずだ。


加藤「お前、射精したことなかったんか?」

おにや「射線…? 最近は意識してますよ。今のG帯はレベル高いですし…」

加藤「バカちげーよ。お前中学の保健体育とかで習わなかったんか?」

おにや「すいません。受験に関係ない科目の時間は、別の勉強に充てていたので…」


加藤さんは大きくため息をつくと、僕に射精について教えてくれた。

どうやら射精は、病気ではなく、男性特有の生理現象らしい。

また、僕の股間が膨張することも勃起といって、生理現象の一種だということが判明した。

病気でも、僕が特別に変なわけでもなかったのだ。至って健康だと加藤さんは言っていた。


射精か…。

2〇年間知らなかったけど、はんじょうやもこうさんも、僕の知らないところで射精していたんだな。

世の中は狭いようで、まだまだ広いなと改めて痛感する。


それ以来、僕はAPEXをする際には「コンドーム」をつけてプレイすることにした。

APEXをプレイしていると不意に射精してしまうことがあるため、コンドームをつけることで、パンツの中での種の拡散を防ぎ、処理をしやすくしてくれるのだ。

これは加藤さんの勧めだ。本当に彼はいろんなことを知っている。


今日はこれからリングフィットアドベンチャーの配信を行う。

何が起こるかわからないので、念のため今日もコンドームをつけておこう。


えぺまつりを終えて、配信者としても、男としても成長できたような実感がある。

ユーチューバーという不安定な職業を許してくれた父さんや母さんに恥をかかせないように、一人前の大人にならなくちゃな。


まずはチャッツに簡単な挨拶。

罵倒や「やあ」という文字の羅列に囲まれながら、今日も僕の配信が始まる……。

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