人生の本質とは何か?

木村れい

第1話 「人生の本質とは?」

 「人生の本質とは」    2021.7.21



 学生の時にギリシャ哲学者が万物の根源は何かと探求していた事を知り「なぜそんな意味不明な事を考えるのだろう」謎でしか無かった。


 しかしここ10年、様々な挫折や病気など人生経験を積む中で、人から始まり、人生、労働、国家など物事の本質は何か、物事のあるべき姿について、自分なりに考えるようになった。まとめるなかで自分の生きるうえの指針にしたく思ったからだ。


 自分なり見えてくるものがある。

 例えば、人生の本質は何か、私は「人生=出会い」と思う。


 母胎から出た瞬間に母に出会い、人は数え切れない人と出会う。


 人との出会いの大切さは、いろんな場面で感じることができる。


 例えば、食事において。何を食べるのかも重要だが、誰と食べるかの方がもっと重要だ。親しい人と食べる食事は美味しい。働くにしても何を仕事にするかも、もちろん大切だが、誰と仕事をして日々の喜びを分かち合うかの方が重要に感じる。趣味も同じだ。何を誰と共に楽しむのか、語り合うのかが喜びにつながる。出会い、人の関わらない事じたいが人生にほぼ存在しないだろう。


 また、私は、出会いとは何かと突き詰めていくと「人から優しさや愛情をもらい、その愛情を自分なりの、かたちで、逆に返していくやりとりこそが人生の本質ではないか」と思うようになった。


 また何故に出会いが重要かと言えば、人が死んだ後を想像するとなお、それを感じる。人が死んだ時に、何を残せるのか。いろいろあるけど、僕は人が死んでも無にならないと思う。


 それは人の心の中でだけは、人が生き続ける事を知っているからだ。

 形あるものはいつかは必ずすべてが消滅するが人の気持ちだけは、そもそも形がないから壊せないし、無くならない。


 高校生の時に友人が交通事故で亡くなったが、今なお同級生は彼を語り継いでいる。

たくさんの出会いが人の心の中にその人の思い出を残す。言い換えるなら、祖母の死を母親が子や孫に語るように引き継がれ、生命は引き継がれていくのだ。


 同時に人の心に生きられるような証を残せるのか、生き方を問われる。そんな事にまで思いを馳せると、やはり人生=出会いだ。

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