第3話

また更に2週間がたった。


変化としてはまず目が完全に開くようになった。


それからこの2週間も前の2週間と同じように情報収集をに徹していた。


この2週間での最大の発見は職業についてだろう。

この世界では前世ではなかった職業がいくつもあることがわかってきた。

前世ではなかった代表的な職業を上げてみる。


騎士、魔法師、冒険者、召喚師、回復師、魔獣使い、鍛冶職人…などなど


この職業の区別は案外適当らしく魔法師で学者とか冒険者で回復師など2つ以上の肩書を同時に持っている人もいるらしい。


他には、予想通り母は以前魔法師だったらしいことがわかった。


自由という点で見れば冒険者なんかはいいかもしれない。

しかし、冒険者はパーティーを組むらしいのだが前世の事を考えるとそこはソロのほうがいいのだろうと思う。

まあ、そこらへんは後々考えるとしよう。



――――――――



更に2週間がたった。

もう気づけば生後2ヶ月だ。


なんとこの2週間は驚きの連続だった。


まずは魔力がぼんやりとだが見えるようになった。

あ、なんかあそこらへんに魔力あるなって言うくらいだけど、俺にしてみれば魔力の存在を確信できた出来事だ。

これまでは、魔力とか魔法師ってきいても、まあこの世界にはそういうのがあるんだなぁくらいの認識だったのだから。


さらに、魔力が見えたことによる影響かもしれないけど、自分の体内にある魔力を感じれるようになった。

これもすごい衝撃なことだった。

もしかして俺、魔法使えるんじゃねって思ったからだ。

それで、この頃はずっと体内にある魔力をネリネリしている。

毎日少しずつ多くなってきているような気がする。

効果はあるかどうかわからないけど、これしかすることないしこのまま続けていこうと思う。



―――――――



魔力ネリネリを続けて3ヶ月ついに立つことができた。

生後7ヶ月だ。

この3ヶ月はご飯と寝ること以外はずっと魔力ネリネリをしていた。

多分1日10時間に迫るくらいだったと思う。


生後7ヶ月で立つのはかなり早いらしい。

まあ、そんなことはどうでもいいけど、早速家の中を冒険してみようと思う。

これまでで家の中の構造はだいたい把握できているけど、詳しくは見れていない。

いってみれば、今日からが自由の第一歩では 無かろうか。



家の中には特に目新しいものはなかった。

変わったことがあるとすれば、姉のところにいつでも行けることくらいか。

でも、姉は習い事をたくさんしていて夜にしか帰ってこない。

まだ5歳なのにすごいと思う。


……とにかく魔力ネリネリを再開しようと思う。



――――――――


魔力ネリネリばかりしていれば気づけば明日は1歳の誕生日。

もう1年経ってしまった。

あっと言う間だった。

してたことはやっぱり魔力ネリネリ。

魔法は使おうと思ったけど、どうやって使うのかわからないから、わかってからにすることにした。


魔力を1年もネリネリしていたので、もうかなり多くなった。どれくらい多くなったかというと、常に押しとどめていないと体の外に漏れ出るくらい。

正直言って思い切り抑えないと結構やばかったりする。

でも、量が多くなったことで粘土みたいに形を変えて遊べるようになった。最近はフォラキオ母さんとかチョーク姉さんとかのフィギュアを作って遊んでいる。魔力は慣れると自由自在に動かすことができるから魔力で作った人―魔力人形と名付けた―は動かす事ができるから、かなり面白い。


それと、生後9ヶ月くらいのときに喋れるようになった。

だから今では意志が通じなくて周りの人を困らせるようなことはなくなった。


「ルークごはんよ」


「は~い、フォラキオかあさん」


このように。




ご飯を食べ終わると、いつものように魔力ネリネリを始めようかと思ったが、そろそろこの世界に生まれて1年。何か新しいことを始めたい。

確かに魔力ネリネリはおもしろいし、成長が感じられる。だからこれからも続けていきたいのだが……。やはり、せっかく転生できたのだ、いろんな事をしてみたい。


そうなると、……外、だよな。


ルークとなった俺こと生憎奏は転生して1年。ようやく外の世界を見たくなったのだった。

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