極北 (長編小説・完結済み)

モグラ研二

第1話 スマホで精神衛生を保とう

駅のホームをスマートフォンを凝視しながら歩きます。


見ているのはアニメーション。今流行りのやつです。


金髪の幼女、可愛い女の子が、全裸で、ウインクしながら、マンコをクパクパ広げている動画。


マンコはピンクです。

見ていると元気になります。


電車に乗っても、もちろんスマートフォンは凝視。


その時には女の子は、屈強な男にチンポコをマンコに入れられて、あん!あん!あん!と可愛く喘いでいます。


ピンクのマンコがドアップになります。


赤黒いチンポコが、ピンクのマンコを貫き、ヌチョヌチョ、という音がしていました。


あんらめ!あんらめ!らめあんらめらめ!


金髪幼女、全裸の女の子は、リズミカルな喘ぎ声で、視聴者を飽きさせない努力をしています。


プロの声優さんは、実際にはセックスなどしていなくて、スタジオで、マイクの前で棒立ち状態で、これを録音しているわけで、そう考えると驚異的。


実に涙ぐましいことです。


胸糞悪い通勤電車で、このような素晴らしい動画を見られる現代社会は、なんて素敵なんだろうと、常日頃思っています。


それに自分以外の人々も、たいていはスマートフォンを凝視していますから、素晴らしいエロ動画を見て、チンポコが勃起してしまったとしても、まず気づかれません。


中には、見られることがないからと、下半身裸の状態で、電車に乗って来るおじさんもいます。


禿げていて脂ぎった中年男性でしたが、上は普通にグレーのスーツ。


ですが、下は何も穿いていません。

毛深い下半身を露出していました。


たまたま、動画のつなぎ目で、コマーシャルが流れた時に、前方をちらと見たら、その男性がいました。


そのように、見られる可能性はゼロではない。


しかし、見られたとして、通報したりする人はいないようでした。


下半身丸出しの男性も、それは承知していて、安全だから、やっているわけです。


とにかくスマートフォンを凝視し、欲望を充実した状態にして、精神衛生を保つのが、現代社会を生きる、重要なスキルなのです。


歩きスマホやながらスマホを注意してくる人間たちは、精神衛生状態が悪いのでしょう。


だから、他人が気になるし、どうにか他人を注意してマウントを取りたくてしかたない。


可哀想な人たちです。


どうか、歩きスマホやながらスマホを注意するのではなく、スマートフォンを凝視してみてください。


そうすれば、精神衛生は保たれ、他人に対する極度の攻撃性は薄まるはず。


まずは、スマートフォンで、今流行りのアニメーションを見ましょう。


金髪幼女、可愛い女の子が全裸で、ウインクしながら、マンコをクパクパしている場面から始まる、素晴らしい作品です。

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