第48話 電子測り
水曜日の放課後はなんか後輩に連れまわされた…。ではなく。ストーカーされただな。
そしてなんか最後には飲み物まで奢ることになって…。
まあ家帰ってきたらもうホント俺は疲れ切っていたよ。
特に何か激しい運動とかしたわけではなかったのに、疲れていた俺。
もう何もする気がなく。のんびりと過ごした。
いやさ、普段は特別棟の教室だけだからさ。周りとか気にしなくていいが…。水曜日はな。学校外であの後輩と居たから…。まあうん。それで疲れたのだろう。変な気を使ったというか。何というか。まあとにかく普段とちょっと違う事だったから疲れたのだ。
そして翌日はまあ親が居ない為俺の放課後は自宅にとっとと帰り家事をした。
っか…。俺が学校から帰ってきたら。
「今日は冷たいものが食べたいって!」
という謎な置き手紙がある俺の家である。
うん。まあこれはよくあるというか。夕食のリクエストというやつだな。
父親、母親どちらが食べたいからとかは知らないが…。俺の当番の日はそんなことが机の上に置かれていることが多い。っかほとんどだな。リクエスト。注文の多い親である。
ちなみに両親は前にも言った気がするが小さなお菓子屋をしている。
以上である。俺はお店に関しては関わってないのでね。
俺の担当は2人ともがいない時の家事である。
そして昨日は…。
「冷たい物ってなんだよ」
と、俺は家に帰ってきてから考えて…。途中逆に激熱の物を作るというのもありか…。と一瞬考えたが…。
まあ無難にというか。冷やし中華の材料があったので冷やし中華を作ったりしていましたとさ。
はい。昨日の事はおしまい。
…。
…。
…。
そして今日は俺の自由な日。
放課後。っかそういえばもうすぐ休みだから今は放課後の時間が長くなってきたので大変助かっている。だって。下校時間までの時間が長くなるからな。
が。今はタイミングが悪い事にパズル雑誌をやり終えてしまっているため…。
俺がしているのはプレゼント応募である。
そして本日は切手貼りと…。まあ重さ確認だな。ということで俺は家から持って来た電子測りを机の上にセット。
94円で送れるギリギリを攻めるため準備をしていた。ってまあ確か50グラムまでなのだが…。49グラムとかそんなギリギリだと重量オーバーになる可能性があるので俺はいつも41、42グラムくらいを目標に封筒に応募はがきを入れている。
すると…。
「…。実験でもするつもりですか?」
突然横からそんな声が聞こえてきたのでちょっとびっくり…。ってまあそこまでは驚いてないがな。足音とかがちょっと横から聞こえていたからな。
あと誰が居るのかはもちろんわかっているので…。
「はっ?」
と、答えつつ横を見るとやっぱり後輩が不思議そうな顔をして立っていた。
「はっ?じゃなくて。あっ、お疲れ様でーす。って、なんですか今日は」
「郵便出すのに重さの確認が必要だろ?」
こいつは何にを聞いてくるのだろうか?と思いつつ俺は普通に答えた。
いやだって郵便出す時ってみんな重さ確認しないか?しないのか?あれ?俺がまじめすぎるのか?とか思っていると…。
「先輩、なんでわざわざここでしているんですか?」
「いや、まあ…。家よりゆっくりできるからだな」
うん。本当は家でしたいよ。
でも昨日はいろいろやっていたら1日。というか午後が終わったし。その前はお前の相手で疲れて何もしたくなくて夜も終わっていったしで…。今日は家でこういうことしていると。なんか面白そうな事してる!とか言う感じで母親が乗り込んできて…。夜になってお店が終わったら父親も乗り込んでくるという地獄絵があるからな。
だから放課後俺の時間で終わらせたいのだが…。お前が来てるんだよ。である。
「なるほど私といると癒されるんですね」
「おまえ…。なかなかの頭だよな」
なんかこいつもわけわかんない事言ってくるよ。とか思いつつ俺は手を動かす。測りに封筒とハガキを乗せて…。重さ確認。うん。よし。
「褒めてます?」
「いや、頭中で変換がおかしいやつだなー。と」
一応話し相手もちゃんとしている俺。偉いだろ。すごいだろ?誰か褒めてくれである。
「失礼ですねー。私は賢いですよ?絶対先輩より勉強もできますし」
「…」
「はい。黙ったー。ってか封筒たくさんありますね。ってこれ切手貼ってませんよ」
「…」
やべぇ。勉強の事をスルー。しようとしたが…。そうだよ。切手が机の上にないじゃんと気が付く俺。
そして…。もしかして家に忘れて来たんじゃないか?いや…。水曜日のままだからカバンの外ポケットに…。と思いつつカバンを探ると…。
…。
…。
…。
セーフ!
「あぶねー」
だった。ちょっと声にも出てしまったが…。まあホントあって安心したんだから仕方ない。っかここで切手がなかったら。今日のこの時間測って封筒綴じて終わるところだったよ。ポストに投函までが今日の予定だからな。
「うわー、やっぱりお馬鹿先輩だ」
うん。なんか最近この後輩に馬鹿とよく言われるな…。と思いつつ後輩を見て…。まあ作業しよう。ということで視線を落とした俺だった。
すると…。
「先輩。切手貼っていきましょうか?暇ですから」
とか後輩が言ってきたが。まあ切手は後でまとめて貼ればいいから…。ということで。
「大丈夫だ。1人で可能だ」
「…」
と後輩に言ったのだが…。何故か無言。とか思っていたら…、確か俺は1人で大丈夫と言ったはずなんだが…。この後輩普通に切手を手に取り作業を開始した。
ホントこいつの頭の中での変換おかしいよな?大丈夫か?とか思いつつ…。まあ静かになるならいいか。と切手貼りを手伝ってもらうことにした。
「おい…。まあ…いいが」
俺がそう言うと。もちろんしますよ。みたいな表情で返事してきた後輩だった。そして…。
「ちなみに先輩切手貼ったらポストに行くんですか?」
「まあだな。締め切り前まで待ってもだが…。忘れたらだし」
「あー、先輩忘れそうですよね」
「おまえホント失礼だよな。先輩に対して」
「大丈夫です。先輩だけですから」
「…」
「あっ、ドキッとしました?しました?」
「いや、全く。どこにドキッと要素あった?」
うん。ホント今の会話にドキッと要素0だよな?むしろ怒りゲージしかたまらないよ。である。俺はちゃんと話を聞いていたが…。全くドキッとはなかったと思うぞ?とか思っていると…。
「いやいや、私が居るだけでドキッとじゃないですか?」
「全く」
うん。ないな。である。
「なんとー、泣きますよ。私頑張ってますよ?」
「泣いとけ」
「むきぃー。マジで放課後の空き教室に連れ込まれたって流しますよ」
「嘘を流すな」
「大丈夫です。みんな私の味方のはずです」
「…」
こいつ…。うぜー。って感じだったが…。まあうん。
なんやかんやでしばらくこんな感じで放課後過ごしているからな。俺はもう諦めの感じになってきたよ。こいつに何を言っても…。とな。
まあでも一応後輩を睨む…。をしてみたが…。あまり効果はなかったらしい。だってさ。怖がるどころか…。ってまあ俺の睨みが弱いのかもだが…。
「先輩マジ怖い睨みやめましょう。私以外なら泣きますよ」
とか笑顔でそんなこと言ってる後輩だからな。もうほんと謎。ってか俺悲しい。何してもこの後輩に勝てる気がしないんだよな。うん。
「なんでおまえは泣かないか」
「私は先輩を知ってますからね!えっへん」
「そんなに知ってるか?」
「そりゃパズル馬鹿先輩と知ってますよ」
「悪口言いたいだけだよな?」
「楽しんでます!」
「なあ、1回くらい叩いていいか?」
そんなことを後輩に言ってみたのだが…。いやマジでちょっと頭をはたいてやりたくなってきた。怒りゲージ上昇中だよ。である。
「いいですよ?悲鳴あげる準備しますから」
「…。下手したら俺が捕まるじゃん」
「かもですね。さあさあ一発どうぞ」
「…」
すると後輩はなぜか叩いてほしいのか俺の近くに移動してきたが…。逆に叩きにくいわ。である。後輩の行動を見ていたら…。怒りゲージ下がったよ。うん。
結局その後も後輩を叩くということは出来ず…。なんやかんやとやりとりをしつつ作業していたら…。応募用封筒が完成したのだった。
後は郵便番号だけ書いて…。終わりである。
その後は…。ポストへ投函だな。
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