第15話 漢字ジグザグ2
「先輩!」
「…」
「もう問題やってる!?」
小冊子を先輩に貸してもらってから2日。今日は水曜日。先輩が特別棟3階に現れる日です。はい現れるのです。ホント普段の学校生活では…。先輩見かけないんですよね。不思議。
あっ、そうそう先輩から借りた小冊子ですが…。もちろんこの放課後の時間にやるつもりだったので家ではやってません。眺めてはいましたが。やっていません「先輩できました!」というのもありかと思ったのですが…。まあまた先輩が無視ー。というのがあると思ったのでその時のために取っておきました。私賢い。うん。
ってか。今日は私が来たら先輩がすでにパズルとにらめっこ。なかなか大きな問題。漢字ジグザグをしています。多分この大きさの問題をしているということは…。当面先輩は私の相手をしてくれそうにもないので…。私の予想はあたりですね。
ということでわたしは先輩の前に座って借りている小冊子のパズルを開始です。
まあ私がやっている問題のレベルは簡単だから…。私でも時間があれば進みます。って10問もなかったのであっという間に最終…。
しなかったー。調子よく進んでいたら突然。
「えっ?白紙?」
小冊子の最後の問題は今までと違いました。
今まではリストの言葉の前に1から20や30くらいの言葉が並んでいて、解答を書く方には言葉の頭文字が数字とともに書かれていたのに、、、。
今回はちらほら漢字が書いてあるだけ。どういうことですか!?
まあとりあえず先輩に聞きましょう。返事をしてくれる確率は…1%くらいだと思いますが…。
「先輩。これ解答側に番号が全く無くて。なんかバラバラと少しだけ漢字がただ書いてあるだけなんですけど。リストには番号ありますけど、どうやるんですか?これ」
「…」
「…」
「…」
「…。もう」
1%の望みは…。ですね。やり方がわからなかったので聞きましたが。先輩はまだ問題をやっている途中だったため無視。無視です。予想通り無視です。次無視したらはたきますよ?ですね。まあ…。今のところしないつもりですが…。私は優しいですからね。
でも最後の問題で詰まるとは…。
最後も普通の問題。今まで同じような問題なら「終わりました!」って言えたのに…。むぅー。です。
と思いつつ再度問題を見ていたら…。
リストは今までと同じ。数字は左上から順番…。みたいなことが書いてあって…。
私は前の問題を見て…。今までの流れを再確認。
そして…「あー、なるほど今までは左から右へリストの番号。言葉が並んでいて…。まあ頭文字?だけがわかっていたから。そこから埋めれるところを書いていたけど。今の問題は頭文字がどこに入るかわからない。ヒントとして漢字が散らばっていて…。ルール的には同じ漢字は同じところ。一緒に使うだから…。そして必ず左上からリストの1番から順番に文字は入る」と私はぶつぶつ…。
つまり…。
今私が見ている最後の問題の解答用紙の左上には空欄。その横に
「料」という漢字。その右。お隣にはには「機」という漢字があって…。リストには1番が有料道路。2番は心機一転ってことは左上から1番、2番のリストの文字が入るんだから…。
解答用紙の1番左上の空欄は1番で有が入って料の下に道。路は今はわからないから置いといて…。
次は心機一転。これはもしかしたら「機」の下に心が来るパターンもあるかもしれないけど。問題用紙の右上のマスにはリストの4、5の言葉があるから…。下。2段目にリストの2番の頭文字が入ると。左上から順番にリストの数字が入っていくってルールを破るから…。ってかおかしくなるから。「機」の右側の空白が「心」そして「機の下に「一」が入る。
なるほどちょっと理解してきた。これは今までの問題と比べるとちょっと難しいけど…。この感じなら…。
と、それから私はにらめっこ。少しずつ漢字が埋まるとその後は意外とあっさり進んで行って時間はそうはかかった…。
「出来たー!」
教室内に私の終了の声が響く。まあ返事をしてくれる人は…。ですがね。どうせ私が何か言ってもパズルやっている先輩は無視でしょうから返事がない事には触れず。私は再度できた問題を確認。これで間違っていたら先輩に何か言われそうですからね。せっかく頑張ったんだから完璧で渡しましょう。
ってまあ。でも遂に全て埋めましたー。この問題の答えは「海外旅行」多分合ってる。よし。終わった!です。うんうん。ちゃんと埋まったから大丈夫でしょう。
そして確認が終わり私は先輩の方を見ると…
「先輩!えっ…?あれ?」
わたしが顔を上げると前の席は空っぽ。そして先輩の荷物もない。あれれー?ですね。先輩ついに逃走?と思いつつ教室の時計を見たら…。
「えっ?下校時間からもう1時間も過ぎてる!?」
ということを知った私でした。
いやいやいやなんですと!?ですよ。チャイム鳴りました!?ってか先輩マジで無視で放置してきましたか!叩きます!ってそれより脱出しないと。これ下手したら閉じ込められているかもですよ。
ということで私はバタバタと荷物を持って教室を出ました。
まあちなみにそのあとの事を言いますとー。
校舎内を私はコソコソと…。そして下駄箱で靴を回収。が。昇降口の鍵がすでに閉まっていたため…。また校舎内をコソコソ移動。先生が居たら隠れる。をして…。何とか体育館側に回り…。こちらは先生らの出入り口なんでね。開いていたドアから外へと出た私でした。
って。
先輩声かけてよ!ですよ。
っか、私どんだけ集中してたんだよー。ですね。
明日は先輩叩きます。必ず叩きます。
先輩だろうと容赦はしません。
こんなかわいい子。優等生にコソコソと学校脱出をさせる先輩とか叩きます。
ホント奇跡的ですよ。
途中先生の気配もありましたし。見つかったら大変でしたよ。
私に透明人間になるスキルなんてありませんからね。ホント見つからなかったのは奇跡です。はい。
先輩。次あったらまず叩きますから!
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