F.I.D.A台北!

桃園国際空港に着くと、私達は空港MRTに乗り、台北へと向かった。


空港線台北駅に着くと、私達は松山新店線に乗り替え、中山にあるF.I.D.Aの台北オフィスへと向かった。


台北オフィスは中山駅から徒歩5分の、建成公園近くの路地裏にあった。


2階建ての小さなビルで、1階には洒落たカフェが入っていた。


スーツケースを持ちながら階段を登ると、F.I.D.A Taipeiと書かれたプレートがあり、インターホンを押すと、中からスラっとした若い男が我々を出迎えた。


「周(シュウ)です。

お疲れ様です。お待ちしていました。

田中さん、お久しぶりです。」


周は流暢な日本語で私達を出迎えてくれた。


「周さんお久しぶり!

これ、お土産」


田中は日本で買ってきたと思われるいくつかの種類のお菓子を周に渡した。


「ありがとうございます!

日本のお菓子美味しいからみんな大好きなんですよ。」


周は近くにいた女性スタッフに袋を手渡した。


「柴田さんですよね。

初めまして。」


周は右手を差し出し、私と握手した。


「初めまして、柴田高文と申します。

まだ入社半年くらいなので、ご迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします。」


私は周の目を見ながら挨拶した。


この男とはこの先長い付き合いになりそうだなとなぜかその時思った。


私達は今回の案件を周に説明した。


「車はここから徒歩30秒のところの駐車場に停めてあります。

3台あるので、そのうちの1台は自由に使ってください。

今回の案件を聞く限りでは通訳は必要無さそうですが、何か聞きたいことがありましたら、なんでも聞いてください。」


周はそういうと、車の鍵と携帯電話を私と田中に貸してくれた。


このオフィスのボスの王(ワン)は出かけており、もう一人の女性探偵の蔡(サイ)も調査の為出ていた。


先程お菓子を受け取った事務員の女性の林(リン)は日本のお菓子を頬張りながら、菓子箱の裏の成分表を難しそうな表情をしながら見ていた。


「ありがとう周さん。何かあれば頼ります。」


田中と私はオフィスを出て駐車場へと向かい、車を確認した。


グレーの初代ポルシェカイエン、赤のマツダRX-8、ブルーのR34スカイラインセダン25GT ターボが置いてあった。


どの車も日本では既にあまり見かけなくなった少し昔の車達だが、パワー、運動性能、居住性がバランスよく備えられたオールラウンダー達であった。


我々の車はR34スカイラインセダンだった。


我々は車を確認すると、中山のビジネスホテルへと向かった。

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