一期一会を求めて

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第1話 一期一会を求めて(男性、男性声用)

今日は2ヶ月に1度の電車の旅。

この旅を始めてから1年位になるだろうか。

一期一会を求めて、行先をあえて決めないのがこの旅のルール。

適当な電車に乗り、適当な駅で降りてその土地の美味しい物を食べたり、その土地の人と話したりするのがこの旅の目的だ。


今朝は雨が降っていたがお昼過ぎには止んだようだ。

折り畳み傘についた水滴はすっかり乾いてしまっていた。


電車から海が見えて来たので途中下車して、お昼は新鮮なネタがたくさん乗った海鮮丼にした。


昨日はワクワクし過ぎてあまり眠れなかったせいか、満腹感と電車の心地よい揺れですぐ眠くなってしまった。

まぁ急ぐ旅でもないし寝てしまおうか。


電車内が騒々しくなってきて目が覚めた。

いつの間にか帰宅ラッシュの時間のようだ。

電車内でかわされる方言で随分遠くまで来た事が分かった。


「あ!忘れ物!」

傘を手すりにかけたまま降りてしまった女性を追いかけて電車を降りてしまった。

急いで追いかけてなんとか傘を渡せた。

すぐに帰ろうとすると、その女性から喫茶店に誘われてお茶をする事に。今日も素敵な出会いに感謝。

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