第3話 アリアは希少職業を得る

 冒険者はと言うか成人する時には基本的に“ギルド”で冒険者登録をする。

 これは生活をする上で必要な適正職業と職業レベルを得る為でもある。

 望んで獲られる職業も多いが、大抵は3択で選べるらしく、例え基本不遇職業とされる『村人』でも登録する前よりは強くなるしレベルが上がれば段違いだからだ。

 王公貴族も冒険者登録はしている、令息・令嬢が家督を次ぐ為の望まれた職業を獲ることが出来ず、御家騒動が発生して家名を取り上げられ放逐・追放されるのも大抵は登録した後でもある、元貴族の現在農民は結構居るらしい、前に村長が酒の席で愚痴っていた、誰しも成れる農民より職業『農民』が増えて欲しいと、収穫が段違いらしい。

 普通は基本的に『戦士系』『魔法使い系』『野伏系』と為るのだが稀に希少ユニークと言われる職業に為る者が出てくる、有名な所は物語や吟遊詩人の歌物語で良く聞く『勇者』『魔王』『聖女』『賢者』これ等は基本的に王城に招待されるほどの上位職業でもある、なぜなら希少ユニーク職業はその時代でただ1人の職業であり基本的に規格外とされる、但し例外も有るそれは不遇とされる職業で基本的にその職業の保有者は即日冒険者を引退する事が多い何故なら通常不遇職業は其なりの速度でレベルが上がるが希少ユニーク職業はレベルが上がり辛く更には能力成長が遅い晩成型が多いし、なおかつ習得スキルにも前列が乏しい為に不明点が多い為である。

 冒険者登録をした後で潜れる様になるダンジョン探索で獲られた財貨や力は多い、求めれば求めるだけ危険度は増し見誤った冒険者は死をもってダンジョンに喰われるか、負傷もしくは己の限界で冒険者を引退する、ダンジョンの探索中は危険が多く気も抜けない、また実力がモノを言う冒険者は足並みが揃わないと直ぐに爪弾きに会う、連携に齟齬が出ると危険度が増すからだ、貪欲な冒険者は先へと進み、遅れる者はおいて行かれる、農村を一緒に出たアリアの馴染みも農村に戻った者を含めアリアとはパーティーを次第に組まなくなった、別に嫌われて居たからでも無く、希少ユニーク職業のさがなのか皆が4、5とレベルが上がる中でアリアだけレベルが未だに1のまま、レベルの差が開きパーティーが組めなく為ってしまったからである。

 冒険者はパーティーで構成される事が多い、何故ならその方が生存率が高い為であるが構成パーティーレベルはなるべく均等に、出来ればレベル差が5レベル以内で組む事を“ギルド”で推奨される、その方がパーティー内の連携が行いやすく動きの齟齬が少ないからでもある、あまりに差が多いと低レベルの身体能力に合わせる攻略と為るので雇われていない限りパーティー内の高レベルの者に精神的な負担が掛かる事が多いからだ。

 アリアは今日も1人でダンジョンに挑む、それは不遇職業の《カード・アルケミスト》が原因なのか?それは本人にしかわからない

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