ストーリーライン(1章)

第1話 Aパート

第1話(4月1~2週)


Aパート(紅葉の私生活、ねいじゅのライブの様子を描く)


紅葉の部屋の描写 学習机にゲーミングPC、2つのモニターの片方にはゲーム画面、もう片方にはVライバーのライブ配信サイトの画面が映る。傍らのスマホにはカードゲームのデッキ構成の画面。


紅葉の身の上話、高校入学からのパッとしない学生生活、オタク生活、ねいじゅとの出会いについて。


独り言をつぶやきながらサバイバルFPSに没頭する紅葉。


「おっ、ラッキー! こんなところでスナイパーライフルゲット! 狙撃ポイントはどこがいいかなー?」

「さぁて、敵さんはどこかなどこかなー?」

「いたっ! あはは、隠れてるつもりかもしれないけど丸見えだよ」

「さぁて…… 動くなよー」

「Fire!」

「よしっ! 残り4人…… って、ええっ!?」

「はぁっ!? うっそでしょ!? お前どっから来たの?」

「ああっ! くっそー! 全然気づかなかったぁー!」

「はぁ…… あーあ、あとちょっとだったのに……」


ゲーミングPCの背もたれにもたれかかり腕を天井に伸ばし背筋を伸ばす紅葉。

ライブ配信サイトの画面が切り替わりねいじゅのステージが映し出される。


『みんなー! 今日も見に来てくれてありがとー!』

「あぁっ! もうこんな時間か。決して忘れてたわけじゃないからね。ねいじゅちゃん」

『みんなー! こんえなが! 今日も詠永えいじゅのライブに来てくれて、ありがとーっ!』

「こんえながー! あぁ…… ねいじゅちゃん今日もかわいいよ」

『○○さん、○○くん、○○くん、○○ちゃん、アキバくんも、こんえながー。見に来てくれてありがとっ! 今日もライブ頑張るから最後まで楽しんでいってね! この枠はお歌枠だから、もし歌ってほしいお歌があったらねいじゅに教えて欲しいなぁ』

「リクエストかぁ、そうだなぁ…… 今日学校で嫌なことがあったから元気になれる歌を歌って欲しいな…… っと」

『さてさて、どのリクエストにお答えしようかなぁ…… あっ、アキバくん、コメントありがとっ! あらら…… 学校で嫌なことがあったの? でも、大丈夫。いつもキミの心の中でねいじゅが応援してるからね。 それじゃ、そんなアキバくんにとびっきり元気になれるお歌を贈るから、しっかり受け取ってね!』

「あぁ…… ねいじゅちゃんこそまさしく僕に舞い降りてきた天使! 僕もいつかこんな冴えない生活から抜け出してバーチャルの世界に行って……」


ねいじゅの配信を見ながら紅葉は次第にVライバーになる憧れを抱き始める。


次の日、授業の終わりのチャイムの音、礼をして教師が退室してすぐに紅葉の隣の席の雪乃がイヤホンを耳に差し机に突っ伏している。


紅葉からの雪乃のイメージ描写。声が小さく地味で目立たず、クラスメイトと交流しようとせずに授業が終わるといつも眠そうに机に突っ伏してイヤホンで音楽を聴いている。

いつもは気にならないがその日はなんだか気になり、まどろみながら音楽を聴く雪乃に見とれてしまう。

次の授業のチャイムに気づかずに眠る雪乃を起こし、外されたイヤホンから漏れる聴いたことのない曲の歌声がねいじゅのものではないかと疑念を持ち始める。

(あの歌声は、きっと絶対ねいじゅちゃんだ! でも、あんな曲聴いたことないし、なんで柊さんが……?)

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