命の選択(一応、完結)これから読み直しまーす😀

みゆたろ

第1話 プロローグ

この世界は、現実と死後の世界のあいだにある。

ふしぎな世界だ。


大切なものなどなにもない。感情なんてほぼ忘れている。そんな者たちがあつまる世界だ。

ここにいるのは裁判長、そして案内人だけーー案内人はこの世界のいろんなことをうけおっているらしい。

裁判長には、案内人でもほとんど会った事がないようだ。

その二人がミーティングをしている。


「わかっていると思うが、近年、現実では深刻な事件が増えている。ーーこの世界はそれを繰り返さぬようにつくられた。そのため、判決は重くなった。今日からこの世界にくる者たちの裁判は、それぞれの生死を決めるものになる」


裁判長は案内人にことのなりゆきを伝えた。


「はい。わかりました」

「ーーこれからこの世界では、現世での罪をつぐなわせるため、裁判を行うことになった」

「ーー裁判?、、ですか?」

案内人は首をかしげる。

「むずかしく考えることはない。聞く事はたったの4項目だ」


裁判で、たったの4項目?

「ーーして、その4項目とは?」

裁判長から、耳打ちされた4項目は、まったくと言っていいほど、想像する「サイバン」とはかけ離れていた。


「ーーこれから、この世界に3人が訪れる」

裁判長がその3人の名前を、ホワイトボードに書いた。


山崎拓海。

鈴木大介。

土屋ゆう気。


「ーーこの者たちの裁判を始める。被告人たちの生死をかけた裁判である」

「ーーわかりました」


この世界で、絶対の力を持っている裁判長はウソをつく人がだいっきらいだ。

これまで通り、ウソをつかないことがこの世界でのルールになる。


これまでと違うことは、判決が生死に直結すると言うことだけ。


ーーそろそろくる頃だろう。迎えにいってやってくれ。


それが裁判長の指示だ。

「はい」

裁判長に頭を下げて、案内人は、裁判の被告人となるものたちを迎えにいった。

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