テンプレな転生をしました。

あかし

第1話 アラサー幼女(仮)目覚めました。

んお!なにこれ!!

手が小さい!腕、みじかいっ!

布団ふっかふか!!めちゃはめるよこれ!

びょんびょんいってるもん!軋まないよ!

…そういえば、ここ、どこだろ?


うーむ。昨日の晩は…

ええと、あ、飲み会。帰りの電車のホームで男の子が落ちかけてて。

あの子大丈夫だったかなぁ。お姉さん心配やわぁ。て、違うよもう。すーぐ脱線するんだから。ええと、男の子の腕引っ張って、頭打って…あ、ここでもうおかしい。まぁその後電車が走ってくる音がして。


──私、死んだんだね。

ふぅーーーー。そっか。短い人生だったな。

私、親孝行とかなんもできてないや。あ、でも稼いだお金はほぼほぼ手付かずだから…


はぁい。計算のお時間でーす。

私の年収がざっと〜〜〜万で、それが3年分!


…あ、結構親孝行してるんかも。


けど約束破っちゃったことになるのかな。

ごめんなさい、お母さん。

まあ全部予測に過ぎないのだけどね!


「なーに百面相してらっしゃるんですか?」

嘘やーん見とったー?ってどちら様よ。

というかいつからいたのよ。びっくりだよ。

まあ、取り敢えず。こほん。


「おはよう。ねえ、これでもレディの部屋なのだからノックくらいしたらどうかしら?」

少しにこやかに言ってみたよ。


あれれれれ?なんか驚いてる。

嘘じゃん。え、怖かった?

お姉さんの笑顔、怖かった?


「あ、皮肉じゃないの、ホントよ」

ほんとに私は…言動が皮肉っぽい…ううぅ。

「貴女はこの屋敷のお嬢様、なんですよね」


「どうしたの?」

多分言動に棘があるからだよね。

"お屋敷のお嬢様"にあるまじき言動だよね。


「おれをクビにしろと叫んでるところとかじゃないんですか?」

あら。私(?)案外悪い子だったみたい。


「私にだって気分はあるのよ」

「そうなのですか?」

消化不良そうな顔だなぁ。

と、それより気になることがある。


「貴方、私と会うの、初めて…?」

「そうですね。こほん。この度お嬢様の侍従兼従者になりました。名前はございません。

どうぞお好きにお呼びください」


初めましてですんごい重いこと言いよったよこの少年。

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