第28話アゴノVSジャンディーナドルク(後編)

アメリカワシントン州のオリンピアで勃発した、アゴノら遊撃隊とジャンディーナドルクとドルクスの連合軍。

ジャンディーナドルクの下僕となった約千人もの群衆が、遊撃隊に襲いかかった。

「すごい数ですね、ドルクスたちと戦いながら全員を倒すのは厳しいです。」

「ああ、こいつらはもう完全な下僕だ。可哀想だが、倒していくしかない。」

するとアゴノとアリゲーターナイトを、二十人のライフルを持った男に取り囲まれた。

「蜂の巣になっちまえ!!」

「それは君たちの方だ。」

アゴノはライフルの銃弾を全て相手に打ち返した。取り囲んでいた男たちは、バタバタと倒れた。

「なんだ、こいつ!?何をしたんだ!?」

「ドラゴン・ツイスト!」

アゴノは回転するストレートパンチで、百人ほどぶっ飛ばした。

「ちっ、雑魚が何人かたかって勝てるほどアゴノは甘くないんだ。やはりアゴノの相手にふさわしいのは、このおれだ!」

ドルクスはアゴノのところへと向かい、攻撃をした。

「キラーデーモン・パンチ!」

「ドラゴン・ツイスト!」

両者の攻撃がぶつかり、相討ちに終わった。

「やるな、アゴノ・・・。だが、これを防ぐことはできるかな?」

ドルクスは闇の霧を生み出すと、公園全体に吹きかけた。

「うっ・・・、これは体が重苦しい・・・。私のパワーストームベールでも、防げないこれは一体・・・?」

「これは毒物の類いではない、闇の力で神経と筋肉の動きをにぶらせるものだ。ちなみに私とジャンディーナドルクには通用しないし、この大勢の人たちにはあらかじめ耐性を与えておいた。だからこいつらが、ノロマになることはない。」

アゴノだけではなく、下僕たちも動きがにぶくなり、攻めいられていった。

「くそっ・・・、ドルクスの奴め!!」

「こいつら弱くなったぞ、一気にやれ!!」

「イカれ野郎共が・・・、めんどくさいぜ!」

「ハハハ、遊撃隊も大したことないなあ。」

動きがにぶくなったのをいいことに、人々がアゴノと下僕たちをリンチしている。

そんな状況で、ジャンディーナドルクはドルクスに言った。

「アゴノのとどめは、私にやらせて」

「なんだと?」

「私がとどめをさして、私の威光と人々に絶対的な力をしめすのよ。」

ジャンディーナドルクが剣を持って、アゴノへと近づいていった。

「おい、ちよっと待て。うかつに近寄ると何をするかわからない、まずは徹底的に拘束することが先決だ。」

「何を言う?こんな死にそうな虫みたいな動きしかできないアゴノなど、もはや敵ではないわ。」

ジャンディーナドルクは剣を天にかかげて、自分の力を入れ始めた。

そしてアゴノめがけて振り下ろした。

「ダークギルフォードスラッシュ!」

攻撃がアゴノに当たったかに見えたが、アゴノは寸前のタイミングで攻撃をかわし、なんと来馬と一緒に、ジャンディーナドルクの背後に回った。

「そんなバカな・・・・、なぜ避けることができたんだ!?」

「私には加速装置がついていて、パワーストームの力で加速装置を強化した。ドルクスの妨害は私の神経に作用したが、加速装置には作用しなかったということだ。」

「だから、徹底的に拘束したほうがいいと言ったんだ!」

ドルクスがジャンディーナドルクを責めているタイミングに、アゴノはジャンディーナドルクを拘束した。

「うっ、しまった!!」

「さあ、やれ!来馬!!」

「刹那!!戻ってこい!!」

来馬は今こそ極めた、パワー・ストームの浄化する力をジャンディーナドルクに当てた。

「うわああーーーっ!!」

「おお!!いいぞ、その調子だ!!」

「力が・・・、私の偉大なる闇の力が消えていく・・・。」

ジャンディーナドルクはその力を失い、刹那とナイツ・キングスピリッツに戻りつつあった。

「まさか、来馬がパワー・ストームの力を使えるようになるなんて・・・。このままでは、ジャンディーナドルクが失われてしまう・・・。」

ドルクスは来馬の浄化を妨害するために、来馬に攻撃をしかけた。

「クソッ!!」

「うわあ!!」

攻撃は当たらなかったが、来馬の浄化を阻止することができた。

「はぁ・・・はぁ・・・、力が入らない・・・。私は元に戻してしまったというの?」

「刹那・・・、元に戻ったんだね・・・。」

来馬は浄化で元に戻った刹那の姿に感動し、嬉しさで涙を流した。

ドルクスとシュウと大勢の人たちは、ジャンディーナドルクが元の刹那に戻ってしまったことに唖然とした。

だが刹那は落胆するかと思いきや、突然「アハハハ!!」と狂ったように笑い出した。

「これで私が元に戻ったと思ったの?残念でした~、もう一度融合してやるわ。」

そして刹那は懐からダークパワーストーム・フュージョンのカードを出した。

「ええっ!そのカードは、ドルクスのじゃないのか!?」

「やはり・・・、スペアのカードが無くなっていたと気づいてさがしたが、まさかお前が盗んでいたとはなあ・・・。」

ドルクスは刹那に怒りの視線を向けた。

「悪いわね、万が一のことを考えて新しい力を手に入れることを考えていたのよ。そして私が融合させるのは・・・、私とナイツ・キングスピリッツとアゴノ12号よ!」

「何っ!?」

「私だと!?」

刹那の宣言により、ダークパワーストーム・フュージョンが発動し、アゴノが暗黒の渦の中へと吸い込まれようとしていた。

しかしそんなアゴノをアリゲーターナイトと来馬が掴んで引き戻そうとした。

「アゴノ様!大丈夫ですか・・・!」

「手を離せ、アリゲーター、来馬!!お前らも吸い込まれるぞ!!」

「ハハハ、さあアゴノ!!今こそわが一部になるのだ!!」

刹那が言った時だった、突然アゴノを吸い込む力がなくなり、アゴノは生還することができた。

「アゴノ様、ご無事で・・・。」

「よかった・・・、しかし一体何が?」

「なっ、ドルクス!!一体どういうつもりなの!?」

アゴノがドルクスを見ると、ドルクスは暗黒の渦中へと引き込まれようとしていた。

「アゴノを倒すのはおれだ、悪いけど簡単に融合されるのは許せん!」

「まあいいわ、それならあんたと融合よ!」

そして刹那とナイツ・キングスピリッツとドルクスの三つが、暗黒の渦の中へと吸い込まれて一つとなった。

「ドルクス様ーーっ!!」

シュウが暗黒の渦に向かって叫んだ。

「これは・・・、予想外のことだ。どんなものが出来上がるのか解らんぞ・・・。」

アゴノはかたずを飲んで、暗黒の渦を見た。

そして暗黒の渦の中心から、漆黒の球体が現れて宙に浮かんだ。

そして漆黒の球体は少しずつ消えていき、中から現れたのは白髪が美しい女神だった。

しかしその女神は、邪悪なオーラを放ち、鋭い視線が宝石のように光っている。

『フフフ、アゴノの代わりにドルクスを取り込んだ時はどうなるかと思ったが、これはこれで素晴らしいわ・・・。』

「まさか、こんなことになろうとは・・。だが、私は絶対に負けないぞ!」

アゴノは女神に闘志の視線を向けた、来馬も下僕たちも同じような視線だ。

『私を崇拝する者、私に戦いを挑むもの。これは面白い。我が名はナザーム、この世に破滅をもたらす者なり。』

「ナザーム・・・、この世界のためにお前には消えてもらう!!」

『フフフ、愚かで小さきものよ。我に楯突くことの、代償を知るがいい。』

そして、最終決戦が始まった。











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