《再編集》ほんとにあった天河怪談

如月しのぶ

第1話それは天河伝説殺人事件のように東京から始まりました

ほんとにあった『天河怪談』




 それは、浅見光彦シリーズの天河伝説殺人事件のように東京から始まりました。



 当時私は、バイク雑誌でマンガの連載をさせてもらっていたり、新聞社でイラストの連載をさせてもらっていた関係で東京に行っていました。


 高橋留美子さんの「らんま2/1(にぶんのいち)」のテレビアニメのエンディングテーマを担当していた、当時キティに所属をしていた、「ぴよぴよ」(現在は解散)と言うバンドが、音楽番組の出演のため東京に来ていました。


 私はそのバンドのリーダーしげちゃんと知り合いだったのです。

 そこで、関西人同士が偶然東京でお互いのスケジュールも合う事から、緊張をほぐすのにも良いのではないかと、昼食をいっしょに取る事にしました。



 初夏の天気が良い日に、青空が見える吹き抜けになったオープンテラスで、サンドイッチを食べることにしました。そこでリーダーからバンドメンバーでバイク乗りのあきボンを紹介されたのです。


 私がバイク業界の裏話を話していると、あきボンからバイクツーリングの同行を強くねだられました。 

 ツーリングの予定が上がれば、必ず声をかけることを約束した後、出版社、テレビ局、それぞれの目的地へと向かいました。



 さて、後日ツーリングの日程を組んでリーダーのしげちゃんに電話をしました。しげちゃんを通す約束だったからです。


 残念ながらツーリングの日程は、ぴよぴよのライブと重なっていて没になったのですが、しげちゃんから別の日程を提案されました。そして目的地も。


「ツーリングの代わりに天河へキャンプに行かない?」


 天河というのは、パワースポットブームでもよく知られた、天河弁財天社のある、奈良県天川村のことです。最近では、心霊スポットでもあるとか。


 ぴよぴよというバンドは、弁財天社のイベントにも参加をしていて、私も天河で演奏しているニュース映像を何度か見たことがあります。そこで天河の話にもなりました。


「実は、天河と言うのは、神様に呼ばれていないと行けないんだ」


「神様の方から呼ばれていない人は、行こうとした日にスケジュールが入って行けなくなったり、出発しても道に迷ってたどり着けなかったりする。でも、呼ばれている人は自然と行くことになるんだ」

そういう不思議なことがあると言うのです。


 なら、それなら今から一時間ちょっと、夜の10時までの間に、お互い友達を誘ってみて行けるメンバーだけで行こうという話しになったのでした。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る