第17話 スタンダード

「帰れるって言っても1週間に1回とか?」


「まぁ、帰れる時はね、1週間に一辺とかね」


「え、帰れない時はもっと帰れないってこと?じゃあ」


「帰れないね」


「んん、んなわけじゃない?例えばさ、それはそれなの?」


「いやまあ、しょうがないでしょ、だって。しょうがないだろうと。そういうもんだろうと」


「はぁ~・・・・そうなんだ」


「ねぇ」


「しょうがないでしょう、だって」


「う、うん、ううん、うん」


「物理的に。ふふふふ(笑)」


「うん、そうなんだけどさ、そうなんだけどさ、どんな感じ、まぁ、そっか、そっか、それが普通というか」


「それがもうスタンダードなの」


「そっかそういうことだよね。今に始まったことじゃないってことだよね」


「そういうこと」


「そうだよね。だって私まだ、おにいちゃんと知り合って1年ぐらいだけどさ」


「うん」


「ようやくというかさ、まぁまぁ、こんなんだなっていう気持ちもあるけどさ、それでもさ、え、ちょっとちょっとってまだ思うからさ」


「いや、当たり前の話だよね」


「え?」


「ちょっとって言いたいところだよ」


「え?やっぱ、ちょっとちょっとって思うのが普通でいいんだよね?」


「普通だと思うよ」


「ああ、よかった(笑)」


「オレが異常なだけで」


「そうだよね?」


「オレが超異常なだけで」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る