第2話 希望書

よし、勇者学校へ行こう・・・

って言っても目の前だけどな(笑)


改めてみるとほんとデカいな。じゃ、入るか。



「あなた、なんの用ですか?」


 うわ、警備員に話しかけられた・・・めんどくせぇ


「入学希望書を書きにきました。」


「いやいや、嘘はいけないっすよ。」


「いや本当に希望書書きに来たんですが・・・」


「どうせ勇者学校の女の子目当てでしょ?しかもあなた年齢的に」


「違います!!年齢は40ですが・・・何歳でもOKと書いてあったので」


「それはそうですけど、普通3月31日に希望書書きに来る人いませんよ。」


「いや、事情があって・・・」


「なんですか?その事情というのは」


「言いたくないです。」

 (いや、そこまで聞いてくんなよ。)


「うむ、怪しい。あなたは本部送りだ」


「え?」

 (は?意味わからない。何歳でもOKじゃないのかよ)


「抵抗するならここで殺す。」


 え?俺ここで殺されるの??これ実質死刑じゃないすか?


「殺さないでください。」


「いや、怪しいから殺す。」


 この人頭いかれてんだろ。


 シャキーン


 本気で剣を抜きやがった。


「殺します。来世ではこんなことしないように」


「え?」


「やめろ、ルート」


「ジャバ様!!!!お疲れ様です!!!」


 え?誰?


「簡単に人を殺そうとするな。」


「はっ・・・はい。申し訳ありません。」


「謝るならこの人に謝れ」


「んっ・・・申し訳ございませんでしたっ・・・」


「あぁ・・・はい」


「貴方お名前は?」


「ローディオ・スイスです・・・」


 俺の目の前にはすごいイケメンですごい強そうな人が立っていた。どうやら名前はジャバというらしい。


「そうですか、この度は私の部下が申し訳ございませんでした。」


「いえいえ、こちらこそ助けて頂きありがとうございます。所でお名前は?」


「お主、ジャバ様の名前も知らないのか!?」


「良い、地方から来たのだろう」


「私の名前はジャバ・スイス。この国の特級勇者だ。」


「特級勇者!?」


 特級勇者って確かこの国に3人しかいない最強の勇者の事だったはず・・・


「はい、でもどうやら私より年上の方のようですね。」


「まぁそうですね。」


「そうでした。確かあなたは希望書を書きにいらっしゃったんですよね」


「はいそうです!」


「希望書なら私が持っているので、お名前と住所を書いていただければあとは私が本部に持っていきます。」


「あっありがとうございます!」

 (なんか優しい方だな。口調もすごく丁寧で女の人のようだ。これで男って性格が良いんだろうな)


 3分後


「書き終わりました!」


「はいっ!ありがとうございます。」


「では、入学楽しみにしています。」


「ありがとうございます。」



 ~家に帰宅~


 ふう、警備員の人はなかなか厄介だったけれどジャバさんはいい人だったな。

 今日はこの後もう一人の隣人の方に挨拶をしよう。




 ピーンポーン


「なんですがぁ?」


「え、」

 このおじいさん、さっきの警備員の人!?


「あっあなたは・・・」


「さっきの希望届の者です・・・」


「あぁ、先程は申し訳ございませんでした。」


 結構礼儀正しい人なんだな。


「いえ、こちらこそ申し訳ございませんでした。」


「今、空いていますか?少し話してみたくて・・・」


「あぁいいですよ!」

 と言ってもなんかこのおじいさんと話すの気まずいな(笑)


「じゃあわしの部屋にきてください。」


「はい!」



「えぇとお名前は?」


「あぁ!ローディオ・スイスです」


「そうでしたね・・・」


「わしはルート・イースと言います。」


「ルートさん、よろしくお願いします!」


「こちらもよろしく頼みます。」


「えぇとルートさんのご職業は?」


「先程もいた、ジャバ・ルイス様の秘書であり勇者隊の隊長でございます。」


「え!?隊長??」

(隊長だと!?こんなおじいさんが?勇者隊オワコンだな)


「はい、隊長です。一応1級勇者です。」


「あーなるほど」


「あなたも厳しい試練を乗り越え勇者になった暁にはわしの隊に配属されるやもしれませぬ。」


普通に嫌なんだが


「剣の術なども教えられるのでいつでも聞きに来てくださいね。」


「あっありがとうございます!」

(一生行かないだろうな)


「ではまあ今度」


「はい!また今度」



ふう、大変な一日だったな。

今日は早めに寝るか・・・

それにしてもあの警備員の人が隣人で勇者隊隊長なんて・・・






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