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「それで、何があったんだ?」

昨夜、自分はどうやら人を殺したらしい。

真っ暗闇の沼にハマってる最中にイノシシの様な獣が突撃されたらしく、そのままゆっくりと死に体の身体で木のドームを剥がそうと手を伸ばした所で、ドームに仕掛けた小型の指向性地雷がトドメになったらしく視線の先に皮膚が焼け爛れた死体がある。

木の棒で突いて見ても反応はしない。どうやら死体らしく死体しているらしい。

そんな言葉遊びをしながらコメント欄を見てみるとどうやらコイツは僕を殺しに来たらしい。

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そいつは国籍不明のキチガイ殺人鬼ジンだ。

配信でアイツの信者がお前が近くにいるかも知れないって言ってあちこち探し回ってたらしい

森の木々が一緒だとかで

恐らく南か北の人間だって言われているぞ

めちゃくちゃやべぇやつ

13人以上殺してるらしい

強姦もしてるってさ

そいつ、そっちの世界に行ってから会った商人の親子をやりやがったんよ

しかも親の目の前でその娘をレイプしやがった

抜けましたわw

黙れカス

うるさ

ニュースに出てるぞ

殺してくれてありがとう

_____________________


なかなかのクズだなこいつ。

とりあえずこいつのことは置いといて、朝に来たレベルアップの通知を確認しよう。

そういえばあれから一回も確認してないような…

まぁ、とりあえずステータス!


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


無常 仮寝 (むじょう かりね)


レベル12

HP220/220

MP320/320


魔法∶錬金魔法


スキル

鑑定スキルレベル1

アイテムボックス

気配察知レベル2

気配遮断レベル2

創造レベル1

付与術レベル2

身体能力強化レベル3

能力

罠設置レベル1new!

対殺人鬼特攻レベル1new!

幸運レベル1new!

SP11

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レベル12…?!そんなにも上がっていたの!?

いや、ゴブリンを殺し回っても2.3回しか通知は来てなかったはず……

コイツはここに来てどれ程殺しまくったんだ…?

「レベルが12に成ってる…」

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は?

高くね?

www

アイツの死ぬ前のレベル確か18とかだったぞ?

は?

なんで?

転移する前にもレベル高くて話題になっていたぞ?

たしか7とかだっけ?

地球に居たときに殺した分だけレベル上がったんじゃね?

感謝感謝!

無常最高!無常最高!

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へぇ〜そうなんだ。

まぁこのまま何もせずに置いて置くのもいけない。死体は丁重に…いや、そもそもコイツ俺の事探して殺そうとしてたんだろ?わざわざ丁重に葬る必要あるか?

「鑑定」

『死体 人間 男性

指向性地雷により死亡。アイテムボックスに残量有り』

あ、ちゃんと死んでくれてる。安心して荷物を触れるようになった。

手持ちにはナイフ、拳銃、手榴弾、弾丸、ワイヤーなどの人を殺すための道具がたくさんある。こいつの胸ポケット物騒すぎだろ。

『アイテムボックスがレベル1になりました。死亡対象のアイテムボックスと繋げる事ができます。しますか?』

「何?」

____________________

どうしたんや?

鑑定に変なことでも書いてあったんか?

ふざけんな!ジン様を殺すなんて!日本人なんて最低!

『いや、なんかこいつアイテムボックス持ちらしくて俺のアイテムボックスと繋げられるらしいんよ。』

いやスルーで草

お疲れ様でした信者さん〜

乙ですw

____________________

こいつのアイテムボックスの中身、か。正直見たくない、が、今この場で役に立つものもあるかも知れない。

勇気を出してアイテムボックスの接続をし、地面に出して見るとそこにあったのは夥しい死体であった。まず男性の方の死体はまだ綺麗で、傷も首に一筋と手首に真っ赤に染まった縄。もう一つが少女の死体だった。頭と胴体は見事に切断され、胴体の方は至る所に浅い刺し傷と強く殴られたであろう黒ずんだ痣が潰えない程に刻まれている。恐らく殺さないように刃物を使う時は弱く傷つけ、殴る時は容赦なく大人の力で殴ったのだろう。逆に頭の方はほとんど傷はないが赤い涙袋が死んでからも尚、赤々としている。もしこれら二つの共通点があるとすれば男性特有の精子臭いニオイが漂っていることだった。頭の方はこれからも使う予定だったらしく手入れしているのがわかった。


開いた口が塞がらない。吐き気は1周回ってしなくなっていた。

ここまでする必要があったのか?この二人は恐らくあのコメントの二人の事だろう。

別にこの人達の事を知っていた訳じゃない。だが、心からの熱く、苦く、粘性のある想いが湧いて出てくる。

だが、その思いをぶつけるべき相手は、もう自分が知らぬ間に殺してしまっている。何とも言えない思いが身体を駆け巡っていた。

穴を掘り、石を錬成し、少女の肉体を繋ぎ合わせ、傷を閉じる。

人が2人分入る大きさの穴だ。近くの綺麗な花をいくつか入れて、目を閉じる。

視聴者さんにも手伝ってもらうことにしよう。

「すみません、視聴者の中にお経とかコーランとかアーメンとか言える人いますか?」

____________________

コーランって何だよw

土葬ですが構いません。お経唱えられます。

神父です。構いません。

とりあえず見送りましょう。

焼かなくていいんですか?アンデットなどになるかも

故人を焼くのは死者への侮辱ですよ?異教徒

____________________

「…もしかしたら起きるかもしれません。

ですが、この人達には未練しか残っていないでしょうから。」



この時、視聴者数は1億5500万人。日本人の人口以上の人間が見ている瞬間であり

コメントに空白が生まれた瞬間でもあった。





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