【聖人聖女編】んもー!! 新子友花はいつも元気なんだからさ……、あたしのことをお前って言うなーー!!!

橙ともん

第九章 はじめに――

第75話 登場人物を紹介します!!


【ジャンヌ・ダルク】


 清楚な衣装でもなければ、甲冑をまとっているわけでもない。これが、戦火の英雄のジャンヌ・ダルク?

 というように、容姿から見て想像できないくらいの、ごく普通の中世の服を着ている。

 普通と書かれても読者からすれば、普通って? 中世って? そう思うのが率直な感想だと思う。

 

 ……見た目は、どこか御嬢様学校の制服っぽいファッション。

 セーラー服のようではなくて、修道士のようなシスターのような……、つまり服とスカートが一緒になっている。

 生地はかなり普通で、……失敬。

 ごく普通の乙女の普段着ファッション――例えるならば[ユニクロ]の一般的な季節物ファッションのような?

 余計に分かりませんか?


 ――美人薄命とは、よく言ったもんだ。

 この言葉が本当に相応ふさわしいであろう、聖人ジャンヌ・ダルクさま。


 薄い栗色ではなく、かといって新子友花あたらしともかのような金髪ヘアーでもない。

 例えるならば、彼女の故郷『ドンレミ』で飼い慣らされていた羊達が、朝の日の光に照れさているかのように淡い……薄い金色に光輝いているような髪の毛の色である。


 神々しいと称しておく――


 聖人ジャンヌ・ダルクさまの像の台座まで伸びている髪は、背中から台座に座る彼女の膝下まで伸びている。超ロングヘアーである。

 そして、迷える子羊達の祈りをしっかりと見つめるためにか? 前髪には掛からないようにと、だいだい色の髪留めを両耳の上で留めているのが、とても印象的だ。


 中世の時のままに、今も美しい救国の聖女である――





【子供ヴァージョン】


 聖ジャンヌ・ブレアル学園内で、蜜柑みかんなどの果物を生徒達に売りさばいている女の子。

 見た目は、どこをどう見ても小学生である。


 西洋の……、これもまた中世の女の子の普段着のような子供のドレス。腰に大きなリボンを付けているのが特徴的だ。

 色は派手ではなくて、よもぎ色を薄くした淡くて地味である。

 髪の毛をリボンの上まで伸ばしていて、その色はというと聖人ジャンヌ・ダルクさまと同じ。


 この女の子、実は聖人ジャンヌ・ダルクさまの幼少期の姿である!!


 ドンレミのころの性格がどういうものであったかは……わからないけれど。

 どこまでも無邪気で明るくて、アクティブな女の子として物語に登場する。


 実在した人物――ジャンヌ・ダルクに対しての作者からの“お礼”の気持ちである。





新子友花あたらしともか


 脱色していません! これ地毛です!!


 ……という金色の髪の毛が、ふわふわっとした柔らかな感じで腰の下くらいまで伸びている。

 前髪も、ゆらゆらっとした感じで自然体に眉下まで伸びている。

 風が吹くと神話に出てくる『メデューサ』のようなあんな感じに(どんな感じだ?)流れるくらい、彼女の最大の特徴がこの金髪超ロングヘアーである。


 ――聖ジャンヌ・ブレアル学園は、府内有数の進学校として有名である。

 けれど彼女の成績は、第一章で、


「はい! 先生。その答えは、はっきり言って……全然わかりません!!」


 と、キッパリと言い切ることを躊躇ちゅうちょしなかったように、つまりダメダメなのだ。

 スーパーで買ってきた握り寿司セットの中の、「この菊の飾り付けいらないよね?」とまではいかないけれど……、「ねえねえ? この寿司ネタの名前って?」「わかんな~い」という地味な部類に入っている。

 つまり、中トロやエビは有名だけれど、なくてもべつに困らない……。

 この成績でどうやったら入学できるの?

 とツッコまれそうなくらい、彼女のテストはいつも赤点続きなのだ。


 口癖は『んもー!!』と『あたしのことを、お前って言うな!』である。





忍海勇太おしみゆうた


 こちらも、脱色していません。俺は地毛です。


 ……という茶色い髪の毛。短髪をセンター分けで整えている。

 成績は、聖ジャンヌ・ブレアル学園でトップクラスの実力の持ち主である。

 テストの後に張り出されるランキングでは、常に上位に名前が載っている優等生(成績だけである……)である。

 

 ――想像すればわかるだろう。

 彼に注目している女子生徒はもちろん多い。「キャ~! キャ~!!」な感じで、パニック映画に登場する若手女優じゃないけれど、学園で話題の中心人物であることは確かだろう。


 女子高生の友達から背中を押されて、「あっ、忍海君。偶然だね……」と見せかけての告白タイム。

 しかし、「俺、今部活で忙しいから、でも、気持ちは受け取っておくよ」と、素っ気ない返事をして廊下を歩いて行ってしまう。

 一方で、コンビニの棚に必ず置いてあるエスプレッソのコーヒー。

 それが、たまに20円引きしているのを偶然発見して、『あっ! 今日の俺はついてる!!』という“花より団子”な感じの男子である(だから、どんな感じだ?)。



 新子友花のことを、いつも『お前……』と真顔で悪気もなく呼んでいる。

 その理由は――





大美和おおみわさくら先生】


 担当科目は現代文、つまり国語教師である。

 性格は温厚で優しくて見た目は物静かだけれど、先生としての責任感をしっかりと自覚し、生徒達には一定の距離感をもって是々非々で接している。


 髪は勿論もちろんのこと――桜色である。


 彼女の性格を反映してなのか、いつも[ユニクロ]の季節物ファッションを好んで着ている。


 生徒達からは、優しい先生、真面目な先生、安心できる先生などと好印象に思われている。

 愛される教師とは彼女のことなのだろう。


 しかし、思い出そう!

 文化祭のメインイベント『学園 殿方争奪バトル!!』を覚えていますか?

 これを企画したのは、聖ジャンヌ・ブレアル学園の生徒時代の先生――大美和さくらでしたね。

 先生が見せてくれる二面性も、とても魅力的である。


 生徒時代はイジメられっ子だった。図書室で読書をしてイジメっ子達から逃げていた時間が、結果的に彼女を国語教師の道へと進ませることになった。

 心の中に秘めた反骨精神が、先生としての責任感のベースにあることは確かだろう。

 

 たまに見せる癖、顎に人差し指を当てる姿が印象的。

 隠れキャラ的なセリフ『んもーん!!』が聞けたら、これ幸い――





神殿愛こどのあい


 誰もが思い描くだろう典型的な御嬢様の容姿、そして性格である。

 黒髪のストレートヘアが背中のお尻までまっすぐ伸びていて、前髪はというと、眉下でこれもキッチリと綺麗にそろえている。


 どうしてそんなに姿勢良く歩けるの?

 というくらい、とても背筋を正して歩く。


 ……例えると、カジュアルな歩く日本人形のような御嬢様だ。

 岐阜県高山市にある神殿家の別荘『飛騨の里・神殿リゾートホテル』を筆頭に、日本にいくつもの別荘を所有している大富豪神殿家の彼女は、見た目とは真逆で性格は真面目で少しハイカラである。

 成績も新子友花と真逆で、とてもクレバー。そんな彼女は、


 生徒会選挙で生徒会長として立候補して、見事に当選!


 公約は聖ジャンヌ・ブレアル学園内の『バリアフリー』の完備である。

 たった一期の任期ではあるけれど、その公約がようやく実現できる段階になってきた。





東雲夕美しののめゆうみ


 新子友花とは近所の仲良し。

 幼稚園も初等部中等部もずっと一緒で、クラスもずっと同じだった。


 髪は東雲しののめ色ではなくて、濃い赤茶系のショートヘアー。

 背丈は新子友花より少しだけ高い。まあ、彼女は小柄だから一般的には背丈は低い方である。

 性格は誰にでも馴れ馴れしく……もとい、親しみを込めて接することができて、アクティブで明るい女子高生だ。


 ちなみに、聖ジャンヌ・ブレアル学園では新子友花とはクラスは違う。

 本人は、それがとても悔しいみたいだ……。





新城しんじょう・ジャンヌ・ダルク】


 国籍フランス――つまりフランス人で、聖ジャンヌ・ブレアル学園に転校して来た17歳の女子高生である。

 ジャンヌ・ダルクという名前は、聖人さまと同姓同名。

 それでは新城しんじょうという苗字は……実は偽名である。

 日本人が「新城さん!」と呼び易くするための、彼女なりのおもてなし?


 髪の毛は肩上までのショートヘアーで、色は金髪だ。ちなみに地毛である。

 なんだか主役と被っているけれど……、ここは欧州との(とくにフランス)友好関係を重視していこうと思う。


 とても流暢りゅうちょうに日本語を喋ることができるが、フランス人の女の子ってこんなに積極的なことを言うのか? と思うような口調と気持ちが言葉によく表れる。

 本人はまったく自覚がないだろうけれど……。


 背丈は神殿愛と同じである。

 対して、性格はというと凸凹のデコのほうだろう。





狐井磨白きついましろ


 新年度になってからラノベ部に入部してきた、新1年生の女子高生。

 最近では珍しく? 無類の小説好きで入る部活はラノベ部にすると固く決めていた。

 誰にでも軽快な口調で話し掛けることができて、ちょっとくらいのトラブルで落ち込むことはない。

 ポジティブな性格だ。


 銀髪のヘアカラーで、ツインテールを胸元まで垂らしている。彼女の特徴的な容姿であり、自分自身でもお気に入りのヘアースタイルである。


 後で紹介する兄からは、「高校生になったんだから、ツインテールはやめたほうがいいぞ……」とアドバイスをもらったけれど、それを彼女はお節介だと突っねた。

 女子高生らしく? 自分の見た目をとても気にするオシャレなタイプ。

 しかし、聖ジャンヌ・ブレアル学園の校則に書かれている『スカート丈は膝上7cm』については、男子高生に“おみ足”を見られることを恥ずかしいと思っている。


 神殿愛より、ちょっとだけ背丈は低い。

 兄のことは「おにい!」と呼んでいる。





狐井剣磨きついけんま


 聖ジャンヌ・ブレアル学園2年生の男子高生。


 妹と同じく、ツヤが綺麗に光る銀髪の髪の毛。ショートヘアーをボサッと少し伸ばしたようなボリューム。

 忍海勇太がセンター分けなのに対して、彼はというと……モサッとした少し寝癖が残っている? ようなヘアースタイルである。

 成績は優等生の彼に対して、こちらは中の下である……。

 背丈は忍海勇太と同じ。


 物静かであり、どちらかというと寡黙かもくな性格で、そのためか1年生のときは部活には入ることはせずに帰宅部だった。

 そんな草食系な兄を鍛えなおしてやろう……と思ったかどうかは、兄妹きょうだいの仲しかわからないけれど、妹に誘われて(無理やり……)、新年度からラノベ部に入部することに(しぶしぶ……)なった。


 小説好きの妹に対して、兄はというと漫画好きだ。

 妹のことを「お前……」と呼んだり、「妹よ……」と呼んだりする。


 狐井兄妹。

 仲が良いのか、そうでないのか……。





 続く


 この物語は、ジャンヌ・ダルクのエピソードを参考にしたフィクションです。

 また、[ ]の内容は引用です。

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