第五回 スーパーロボットと。


 ――新たな章の始まり。というよりは、ここからが本当の始まりだ。



 初となる戦闘で受けた身体のダメージ。


 そして、メンタルのダメージの治癒へと専念する今日この頃。



 僕は普通の、中学三年生に戻った。僕と言いながらも、女の子なの。白銀の敵に対する恐怖や、戦闘に対する恐怖で泣いちゃうことだってあるの。……それから、可奈かなが僕に行うリハビリは、鬼そのもので、スポ根アニメで見る鬼コーチよりも、さらに過激。


 ……鞭が飛んでくるの。


 飴は、始まりだけの一口程度。情熱系ではなく冷酷系だから。


 僕が泣いても、容赦なく鞭が襲ってくる。もう少ししたらね、それをも乗り越えそうな僕自身が怖くて、どちらかといえば乗り越えるのではなく、癖になりそうなレベルで……



 今や可奈でなければ、僕を満足させることができないので。これからも、ずっと僕の担当であるように、もう人事の上では決められているそうなの。


 そして走る水上バイク。


 免許を取得するには、一年待たなければならないけど、とっても気持ちの良い風と水飛沫。そのことさえも忘れそうな程……とは言っても、敷地内はOKなので遠慮は無用。


 寧ろ、これこそが教習なのだ。


 四季折々という名のスーパーロボットは、三種の可変を熟すから。ボート形態なら、その操縦は水上バイクと殆ど同じで、これもまた立派な訓練なのだ。そして同じように、横並びで僕と同じように教習を受けているのが、シャーロックスターシャ・ルイーズベルモット・エッフェルエンペラー・シャルル・ド・二十六世さん。僕より二つ上のお姉様だから、水上バイクの免許は取得している。そしてニッコリ言うの。


「シャルロットって呼んで」と。確かに、その方が彼女の名を呼びやすい。

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