第7話 足と脚を知ろう(動作の語彙)

立つ

 すばやく立つ「立ち上がる、起き上がる、起立する、腰を上げる」

 道に立つ「突っ立つ、立ち尽くす、仁王立ちになる、棒立ちになる、たたずむ、佇立チョリツする」

 大木が大地に立つ「そそり立つ、そびえ立つ、亭々テイテイとそびえる、屹立キツリツする、直立チョクリツする」

 並んで立つ「立ち並ぶ、並び立つ、林立リンリツする、乱立ランリツする」

 ※「爪立って遠くを見る」「爪先立って遠くを見る」


起きる

 急に起きる「体を起こす、起き上がる、立ち上がる、立つ、飛び起きる、跳ね起きる、起立する」


起こす

 体を起こす「起き上がる、立ち上がる、立つ」


並ぶ

 レジ前に並ぶ「行列する、列を作る、列をなす、整列する」

 列の後ろに並ぶ「連なる、付く」

 ビルが並ぶ「立ち並ぶ、建て込む、櫛比しつぴする」


そびえる

 山々がそびえる「聳え立つ、そそり立つ、そばだつ、屹立キツリツする、聳立ショウリツする」

 屹然キツゼンたる山々「巍然ギゼンたる、峨峨ガガたる」

 亭々テイテイと聳え立つ巨木「高々たかだかと、ひときわ高く、ひときわ抜きん出て」




座る

 畳の上に座る「す、正座セイザする、端座タンザする、危座キザする」

 あらためてきちんと座る「座り直す、居直る」

 自分の席に座る「着く、腰を下ろす、着座する、着席する」

 大勢がずらりと座る「居並ぶ、列座レツザする、連座レンザする」

 楽に座る「膝を崩す、足を崩す、横座りする、胡座あぐらをかく」


しゃがむ

 その場にしゃがむ「かがむ、しゃがみこむ、うずくまる、うずくまる、座り込む、腰を下ろす、膝を突く」


かが

 寒さで指がかがむ「かじかむ、ちぢこまる、伸びなくなる」

 道端にかがむ「しゃがむ、屈み込む、しゃがみ込む、へたり込む、うずくまる、うずくまる、腰を落としている」

 偉い人の前で腰をかがめる「身を屈する、ひざまずく、跪坐キザする、平伏する、蹲踞ソンキョする、鞠躬如きっきゅうじょとする」


円座する

 みんなで円座エンザする「車座くるまザになる、団居まどいする」


組む

 足を組む「あぐらをかく、座禅する、結跏ケッカ趺坐フサする」



歩く

 街を歩く「歩き回る、ぶらつく、ぶらぶらする、散歩する、徘徊ハイカイする、足を使う、ほっつく」

 駅まで歩く「歩いていく、徒歩で行く、足で行く、歩きだ」

 歩くことが不自由「歩行、足、外出」

 ※練り歩く、闊歩カッポする


出歩く

 あちこち出歩く「浮かれ歩く、飛び歩く、ほっつき歩く、渡り歩く」


歩む

 苦難の道を歩む「行く、進む」

 地道に一歩一歩歩む「歩みを運ぶ、進んでいく、歩を進める」


歩み

 歩みが遅い「足、進行、進み」


さまよう

 山中をさまよう「さまよい歩く、あてもなく歩き回る、迷い歩く、彷徨ホウコウする」彷徨う


さすらう

 見知らぬ国をさすらう「流れ歩く、行方ゆくえ定めず旅する、漂泊ヒョウハクする、漂浪ヒョウロウする、放浪ホウロウする、浮浪フロウする」流離う


うろつく

 街中をうろつく「うろうろする、ぶらつく、ぶらぶらする、足の向くまま歩き回る、徘徊ハイカイする」


よろめく

 重荷に蹌踉よろめく「よろよろする、蹌踉よろける、よたよたする、ふらふらする、ふらつく、ぐらぐらする、ぐらつく」


低回テイカイする

 周辺を低回する「行きつ戻りつする、散策する、散歩する」




走る

 力いっぱい走る「ける、突っ走る、疾走シッソウする、疾駆シックする、疾行シッコウする、独走ドクソウする、ひた走る、蹴立てる、走り抜ける、駆け抜ける、ダッシュする」

 車が走る「走行する、快走カイソウする、疾走シッソウする、暴走する」

 事故現場に走る「けつける、急行する、大急ぎで行く、飛んでいく」

 金策に走る「走り回る、けずり回る、飛び回る、奔走ホンソウする、狂奔キョウホンする」

 ※走り回る、駆け回る、駆け巡る、駆け出す、走り出す、駆け上がる、駆け下りる、駆けくだる、走り抜く、



跳ぶ

 ぴょんぴょん跳ぶ「跳ね上がる、ねる、跳ねる、跳び上がる、スキップする」

 反動をつけて跳ぶ「跳躍する、飛躍する、宙返りする、とんぼ返りする、とんぼを切る、空中で一回転する、ジャンプする」

 横に跳ぶ「横っ飛びする」


跳ねる

 ボールが跳ねる「弾む、跳ね上がる、跳ね返る」

 嬉しそうに跳ねる「跳ね回る、飛び回る、飛び跳ねる、飛び上がる、躍り上がる、ぴょんぴょんする、けんけんする、兎跳うさぎとびする、馬跳うまとびする、蛙跳かえるとび」

 鯉が跳ねる「身を躍らせる、飛び跳ねる、跳ね上がる」




蹴る

 ボールを蹴る「蹴飛ばす、蹴上げる、蹴り上げる、跳ね飛ばす、かっ飛ばす」

 相手を蹴る「蹴り上げる、蹴飛ばす、蹴倒す、蹴散らす、足蹴にする、蹴りを入れる、前蹴りする、回し蹴りする、キックする」


踏む

 ペダルを踏む「踏み込む、漕ぐ」

 足を踏む「踏みつける、踏んづける、上に乗る」

 新雪を踏む「踏み締める、踏み固める」

 大地を踏む「踏みしめる、踏まえる、地面を足でとらえる、地に足をつける」

 ※踏ん張る、踏み抜く、踏み潰す、踏みにじる、踏み荒らす





倒れる

 床に倒れる「ぶっ倒れる、転倒する、転ぶ、転がる、ひっくり返る、叩きつけられる」


つまず

 石につまずく「蹴躓けつまずく、足を取られる、つんのめる」

 道でつまずく「転ぶ、転倒する、ひっくり返る」

 ※「なにかに足をすくわれる」


のめる

 石につまずいてのめる「つんのめる」


転ぶ

 つまずいて転ぶ「転がる、すっ転ぶ、ひっくり返る、転倒する、倒れ伏す。(方言)こける」


転がる

 石が転がる「転げる、転がり落ちる」

 徳利とっくりが転がる「転げる、転ぶ、倒れる、ひっくり返る」


寝転がる

 床に寝転がる「寝そべる、寝転ぶ、横になる、横たわる、ごろりとなる、床でごろごろする」




また

 水たまりをまた

またがる

 人にまたがる「馬乗りになる」




────────




歩く

 足で「あゆむ、歩行ホコウ行歩コウホ徒歩トホ徒歩かちあるき、徒行トコウ運歩ウンポかち、ウォーキング」

 わずかな「寸歩スンポ

 歩く様子「足付あしつき、足取あしどり、あるぶりり、あるざま

 人や馬が列をなして進む時の歩き具合「足並あしなみ、足取あしどり、歩調ホチョウ

 互いに歩いて近寄る「あゆり」

 休みなく歩き続ける「あるめ、あるきどおし」

 歩けるかぎり「足任あしまかせ」

 長く困難な道のりを歩き抜く「踏破トウハ

 足の向くままに「足任あしまかせ」


 ひとりで「ひとあるき、独歩ドッポ独行ドッコウ単行タンコウ

 連れ立って「同行ドウコウ


 [尊敬]天皇・皇后・皇太子の歩き「玉歩ギョクホ

 [尊敬]お拾いで来られた


 歩いて何歩あるか「歩数ホスウ歩数ホかず

 何歩歩いたか数える度数計「歩数計ホスウケイ万歩計マンポケイ」※「万歩計」は山佐時計計器株式会社の登録商標です。一般には「歩数計」を使いましょう。

 一歩で進む距離「歩幅ホはば

 歩く速さ「歩速ホソク

 歩く速度や歩幅の程度「歩度ホド

 歩いて距離を測る「歩測ホソク


 あてどもなくさまよい「彷徨さまよう、彷徨ホウコウ彷徨さまよあるく、うろつく、そぞあるき、漫歩マンポ流浪ルロウ浪浪ロウロウ、ぶらつく」

 認知症の行動異常のひとつでさまよっている「|徘徊ハイカイ

 一箇所に落ち着かずあちこちさすらう「流れ歩く、渡り歩く」


 ある地点を行ったり来たり「きつもどりつ、きつもどりつ、かよう、かよう、往来オウライ

 立ち去りがたい様子で行き来「低回テイカイ低徊テイカイ

 人に知られないようこっそり「密行ミッコウ潜行センコウ間行カンコウ

 地位のある人が知られないように出歩く「しのあるき、御忍おしのび、微行ビコウ

 用事を言いつけられてあちこち「使つかばしり、使つかあるき、使つかいっぱしり」

 各地を巡って視察や調査して「見回る、巡回ジュンカイ巡見ジュンケン巡検ジュンケン巡察ジュンサツ巡視ジュンシ

 警備のために見回って「巡邏ジュンラ警邏ケイラ巡警ジュンケイ、パトロール」

 夜、警戒のために回って「夜警ヤケイ夜回よまわり、夜巡よめぐり」

 自分の考えを各地で説いて「遊説ユウゼイ

 あちこち歩き回る「ほつき歩く、ほっつき歩く」


 詩歌を練りながらまた詩歌を吟じながら「吟行ギンコウ吟歩ギンポ

 人々に広く告げて「あるく、あるく」


 徒歩で戦う兵士「歩兵ホヘイ歩卒ホソツ


 大股でゆっくり「闊歩カッポ

 小股でまた少しの距離を「小歩こあるき」

 小さい歩幅で速く「きざみ足、一寸イッスンあし

 足の裏をするように「あし

 音を立てないように「抜き足、差し足、忍び足、抜き足差し足、抜き足差し足忍び足、盗み足、猫足ねこあし鷺足さぎあし

 ひざまずいて膝で「膝行シッコウいざる、|膝行いざる」

 横向きに「横歩き、横行オウコウ蟹行カイコウ蟹歩かにあるき、かに横這よこばい」

 裸足で「跣行センコウ徒跣かちはだし

 片方の足を引きずるようにして「跛行ハコウ

 足元を探りながら「探り足」

 足元を選んで歩く「拾い歩き、拾い足」

 壁などに手をかけ沿うように「つたい歩き」


 普通の足並み「あし

 急ぎの足取りで「急ぎ足、早足はやあし速足はやあし足早あしはや、急行、疾行シッコウ疾歩シッポ捷歩ショウホ急歩キュウホ速歩ソクホ速歩はやあるき、早歩はやあるき、疾足シッソク逸足イッソク俊足シュンソク

 ゆっくり「鈍足ドンソク鈍足のろあし鈍鈍足のろのろあし牛歩ギュウホ徐行ジョコウ徐歩ジョホ緩歩カンポ寛歩カンポ

 そぞろ「散歩、散策、そぞあるき、遊歩ユウホ閑歩カンポ逍遥ショウヨウ

 少しずつ進む「歩一歩ホイッポ


 列になってゆっくりと「練り歩く」

 隊列を組んで歩き進む「行進」

 人々の間にまじって「まぎれ歩く」


 足元が定まらずにふらふらと「よろつく」

 よろめき「千鳥足ちどりあし蹌踉ソウロウ蹌踉よろめく、蹌蹌ソウソウ蹣跚マンサン

 酒に酔ってふらふら「千鳥足ちどりあし酔歩スイホ


 勝手気ままに威張って「闊歩カッポあるく」

 体を揺さぶりながら偉そうに「揺るぎ歩く」

 遊び気分であちこち「浮かれ歩く」

 心が落ち着かず「浮かれ歩き」

 あちこちと忙しく「飛び歩く」

 夜、外を「夜歩よあるき、夜行ヤコウ




────────




走る

 足早に動く「走る、せる、はしる、走り、ランニング」

 速く「駆ける、ける、駆け出す、飛ぶ、疾走、奔走、駆け足、奔逸ホイツ奔馳ホンチ疾駆シック迅走ジンソウ

 気持ちがよいほど速く「快走」


 急いで走らせる「る、駆る、飛ばす、っ飛ばす」


 馬で疾走する「駆ける、ける」

 馬がやや速く「だく足、だく、諾足だくあし鹿足ししあし速歩はやあし、トロット」

 馬を速く走らせる「駆け、け、駆け足、駈け足、馳駆チク疾駆シック駆歩かけあし襲歩シュウホ、ギャロップ」



 ちょっと「一走ひとはしり、ひとぱしり」


 気が狂ったように「狂奔キョウホン


 抜きん出てひとり「独走」

 並んで走る「並走、併走」

 後を追って「追走、追逐ツイチク」※「追逐」には追い払う意もある

 主人より先を走る従者「先走り」


 逆の方向に「逆走」

 定められたところを逸れて「逸走イッソウ

 想定や予想された進路を通らずに「迷走」


 先を争って「競走、競奔キョウホン

 走る能力「走力」

 陸上競技などでの走り方「走法」

 歩幅を広くとる走法「ストライド走法」

 やや狭い歩幅で脚の回転を速くする走法「ピッチ走法」

 勢いをつけるために「助走」

 短い距離を全力で「ダッシュ」

 健康増進のためにゆっくり「ジョギング」

 競技などでよい走りをする「好走」


 あちこち走り回る「駆け回る、駆けずる、せ回る、駆けずり回る、駆け巡る、飛び回る、奔走、馳駆チク

 主君の命令によって奔走する「奔命」

 あちこち使いで走り回る「使い走り、使いっぱしり、走り使い」


 走って目的の場所にやってくる「駆け付ける」

 後から駆け付ける「遅れせ」

 大急ぎで参上するまた馬を走らせ参上する「せ参じる」

 あわてて「そそばしる」

 後も見ずに急いで「逸散走イッサンばしり、一散走イッサンばしり、一目散イチモクサン


 休まず「ひた走る」

 力のかぎり「力走」

 歩幅を狭くして「小走り、犬走り、小股こまた走り」

 飛び上がるように「騰奔トウホン

 走るのが速い「早走はやばしり」


 逃げ去る「走る・はしる」

 逃げ出す「駆け出す、ずらかる、飛ぶ」

 走って逃げる「逃走、遁走、散走、奔逸ホンイツ

 戦いに敗れて逃げる「潰走、敗走」

 脇目も振らず逃げなどするさま「一目散、逸散イッサン一散イッサン

 逃げていなくなる「走り、失踪、失跡シッセキ出奔シュッポン逐電チクテン、逃亡、逃奔トウホン

 後を追いかける「追逐ツイチク随逐ズイチク

 逃げ帰る「却走キャクソウ卻走キャクソウ


 駆け落ちする「はしる」


 車などが動く「走る、走行」

 車などを速く動かす「走らす、走らせる」

 車などが速く「疾走」

 自身の動力で「自走」

 乱暴に「暴走」

 飛行機などが滑るように「滑走」

 船が水上を「航走コウソウ

 船が帆を張って風の力で「帆走ハンソウ

 船舶が順風を受けて「順走」

 氷などの上を「すべる」

 車などが横向きに「横滑り」

 最後まで車などが走り通す「走破」

 小川などが速く流れる「走る、はしる」



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