大聖女エルサーシアの遺言~とんでもヒロインの異世界漫遊記

おじむ

第一部第一章 それならそうと早く言ってよ

*発見!エルサーシアの遺言

葬儀の後に三姉妹は母の部屋で

遺品の整理をしていた。


「これは貴方が5歳の時に差し上げたものね」

長女が見つけたハンカチには、

如何にも子供が作りましたと言いたげな、

だからこそ可愛らしい刺繍がほどこされている。


それを見た二女は治まっていた涙が、

また溢れ出して来た。

あ゛~ぞうでずばぁ~!ごでばぁ~あ~そうですわぁ~!これは~

わ゛だぐじがぁ~!私がぁ~!

お゛が~ざばに゛ぃ~お母様にぃ~

う゛う゛う゛う゛~~~うううう~~~


「これ!それで拭いては駄目よ!

こちらを使いなさいな。」


あ゛じがど~~~有難う~~~


「お姉様は一番のお母様っ子でしたものねぇ」

三女は泣き虫な姉の頭をそっと撫でて、

しみじみと部屋を見廻す。


「そう言えば宮棚みやだなはまだ見て無かったですわね」

寝台の枕元に設置された戸棚を指さす。


「そうねぇ、何か有るのかしら?」

長女が寝台に登り、そろりと小さな扉を開く。


中には一通の手紙が入っていた。


「これは・・・」

「まさか!遺書?」

お゛が~ざばぁ~~~お母様ぁ~~~


丸いテーブルの中央に手紙は置かれ、

それを三姉妹が囲んでいる。


「お、お姉様、開けて下さいましな」

「そ、そうね、開けるわよ!」

お゛が~ざばぁ~~~お母様ぁ~~~


長女が恐る恐る手紙を開く。

「これは・・・呪文ね・・・」

「呪文?」

お゛が~ざばぁ~~~お母様ぁ~~~


「何の呪文ですの?」

「さぁ?見たことが無い呪文ねぇ」

ぎっど~お゛が~ざばぁが~きっと~お母様がぁ~

わ゛だじだぢに゛~私達にぃ~

の゛ごじで~ぐだだっだの゛でずばぁ~残して下さったのですわぁ~


「唱えてみませんこと?」

「え?大丈夫かしら?」

だびじゅに゛ぎばっでま゛ずばぁ~大丈夫に決まってますわぁ~


「そうね、お母様が危険なものを

こんな所に置きませんわね」

「お願いしますわ、お姉様」


長女が呪文を唱えると、庭の方から

大きな水音が聞こえて来た。

まるで滝が落ちる様だ。


続いてガシャンッ!と機械音がした。


「中庭の方ね!」

「えぇ!行ってみましょう!」

お゛が~ざばぁ~~~お母様ぁ~~~


彼女達がそこで何を見るのか、

そしてお母様がどの様な人物だったのか。


そのお話をしましょう。


表紙絵

https://kakuyomu.jp/users/ogin0011/news/16817330656180514111

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