クレイジーマッド映画ジャーニー

団子おもち

「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」(コメディ/スリラー)

「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」(2014年 イタリア 105分)

監督・脚本 シドニー・シビリア

出演 エドアルド・レオ、ヴァレリア・ソラリーノ


 この映画レビューの一発目が「いつだってやめられる」って、タイトルなのはアレですが、そこはまあ置いておいて……。


 この映画は、様々な事情で社会からつまはじきにされた大学教授、学者達が主人公。

 彼らがその優秀な頭脳を使って高品質で安価な合法ドラッグを作り、一儲けしようとするクライムコメディ。


 主人公の一人、神経生物学者であり大学の教授でもあるピエトロは天才的な頭脳を持っているのに、仕事は順調に行かず、職場では誰にも理解されず、同棲中の恋人とも上手く行かず……と、真面目に働いているのに報われず、苦悩する日々を送っていた。


 そんなある日、自分の大学に通う学生から、合法ドラッグが儲かることを知る。

 ピエトロは自分と同じく優秀な頭脳を持ちながらも、社会からつまはじきにされた学者仲間たちを集め、合法ドラックの製造、販売を始めることに。


 不遇な目に遭い続けてきた学者たちが今までの鬱憤を晴らすかのように、合法ドラッグを作り、法をすり抜けて儲けていく展開がスリルと爽快感があって面白い。

 ですが、当然、犯罪行為には変わりないので、終盤から彼らは痛い目に遭い続けることになります。

 そこは実際に本編をご覧ください。


 自分の才能が発揮できず、やりたいこともできずにくすぶり、生活のことを考えて妥協……。

 だけど、報われない……。

 こういうことって、一度や二度は経験したことがあるのではないでしょうか?


 様々な理由があって、自分が自分らしく生きられない世の中。


 この映画は、いくら真面目に働いて頑張っても報われなかったのに、合法ドラッグ製造という反社会的行為では報われてしまった……という世の中に対する皮肉を描いた映画ではないかと思いました。


 社会が認めてくれないのなら、反社会に走るしかない。


 そんな学者たちの苦悩が伝わる映画でした。

※当たり前ですが、合法だろうとドラックの製造、使用は犯罪です。ドラッグは、あなたの身体と心を崩壊させます。絶対にしないで下さい。


 ちなみに、この映画は好評だったらしく、本作「いつだってやめられる 7人の危ない教授たち」が1作目として、2作目「いつだってやめられる 10人の怒れる教授たち」(2017)、3作目(完結編)「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」(2017)、と続編が作られ、3部作になっています。

 タイトルに「パート2、3」みたいにナンバーがついてないので、どれが二作目で三作目なのか、ちょっとわかりにくいのでレンタルの際にはご注意を。

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