怪々ダンダン

アカサ・クジィーラ

エピローグ

1怪 夜の學校について

私の名前は、薬師丸真夏。中学生である。特に学校には友達がいないぼっちである。本が唯一の友達、昔からそういう子供である。もちろん授業中は真面目に先生の話を聞いている。しかし、たまに授業中に悍ましい感覚に陥るときがある。それは心霊現象なのかただの妄想なのかはわからない。でも、私の通っている白鯨第二中学校には何やら噂が絶えないらしい。その噂話はいずれも夜にしか起きない。


一つ目、夜の校長室での少女

二つ目、3階音楽室前の廊下にある水道でのシャリシャリという音

三つ目、夜の運動場にある鉄棒にかかっているらしい白い布

四つ目、2階理科実験準備室にある猫の標本が動くらしい

五つ目、本館から別館へ向かう渡り廊下の見えない壁

六つ目、別館全体を歩き回る骨

七つ目、この学校を統べる裏の王者


これら七つの怪談がこの学校で噂されている。クラスメートの明るい陽の者が肝試しに行ったきり、その話を一切しなくなったということは本当のことだろうなと思っている。また昼間から感じるあの感覚もそれがせいなのでないかとも感じられる。つまり私は霊感が多少強い方なのかもしれない。そんな私が独りで夜の學校に行くとしたら、一体どうなるのか。甚だ疑問を感じながら、実行に至る。

その実行に至るまで、私はその噂を様々な同級生から盗み聞きして得た情報である。つまり私は如何せん影が薄い。だから、クラスメートに認知されることはまあない。家族だって認知されることは少ないのである。そんな私がこの夜の學校でその怪談たちに認知されるのか調べたかった。たったそれだけの動機でこの状況を創った。

家族に気付かれず、學校の校門まで着くと、後ろの方で何やら話し声が聞こえたので近くにある家の草垣に隠れた。そこでじっと待ってると、やってきたのは同じクラスメートの陽の者どもである。名は答えられぬ。如何せん友達がいないから。独りで生きてくことを決心したから、人の名前を覚える気がしない。その陽の者は男女合わせて5人である。おそらく學校へ肝試しに行くのだろう。そういう予測をしたが、見事的中した。そのまま彼らは校門をくぐった。ただそのうちの1人がチラリっと私の方を見た気がするが、私は息を殺しているのでそのまま向かった。彼らが正面玄関へ入った頃に私は出て行き、學校の前にたつ。夜の闇に包まれた白い建物、その中へ私は入っていく...

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