血の海と死体の山が最高なバイオレンス異能アクション

 突然飛び込んできたグレネードによって、いきなり地獄絵図と化した夏期講習の教室、そこで生き残った少女たちの戦いの物語。

 ハードコアな暴力性が楽しい現代ファンタジーです。いろいろと突き抜けた設定、いわゆる厨二妄想ど真ん中なキャラクターや展開が魅力のお話。
 ともすればネタっぽく受け取られてしまいかねない尖った設定の数々を、でもきっちりエンタメ作品として作用させてくる、その完成度だけでもう楽しいのがたまりません。

 約13,000文字の短編ながら、登場人物の数がそこそこ多めなところが好きです。
 それぞれのキャラクター性と、彼女たちの対話でお話が進んでいくこと。ジュブナイル的な作品らしいライトさというか、スイスイ読めてしっかり頭に入る感覚が心地よいです。

 あとはもう、これは単純に個人の趣味なのですけれど、バイオレンス成分の容赦のなさが最高でした。血の海に死体の山。光景の地獄っぷり自体はともかく、その理不尽さが伝わるのが気持ちいい作品でした。

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