恋愛SS

貼らないレギュラー5枚入498円

　私があなたに会うのは、寒くてつらくてしかたのない夜だけ。だけど、良くも悪くも――あなたはいつだって変わらない。

　そうして冷え切った私の奥底に火を点す。ほとんど無気力だった私に流れ込む、身を焦がすような熱。

　あなたはずるい。一度きりだって割り切るくせして、寂しさに触れてはほだす。まるで氷の城に湯でも流し込むみたいに。いくら城壁を積もうと、堀で囲おうと、まるで全部なかったことのように。

　だけど短針がひと回りすれば、あなたは嘘みたいに冷たい。心なしかあなたの体も重い。

　今日もまた寒空の下で一人、体と心をすり減らす。でも少しだけ、昨日よりマシだと思うの。なぜかしら？　もう二度と会わないつもりでいたって、あなたのくれた温かさが確かに尾を引いている。

　これでいいのよね、きっと。私もまた、次のあなたを探しに行くわ。