第3話 凛花の決意

玄関前で、軽く会話をした後、私たちはリビングでこれからのことについて話をしていた。ここで間違えるわけにはいかない。だって、人間関係で一番大切なのは第一印象。ここでミスすれば、大河さんと付き合える確率が一気に下がる。と、お姉ちゃん

が言っていた。お姉ちゃんは誰かと付き合ったことはないのになんでそう思うのかなと思ったが、今はお姉ちゃんしか頼れないし、信じるしかない。えっと、確か大河さんのことは先輩って呼んだ方がいいんだっけ?確かお姉ちゃんがそう言っていた気がする。最初はなんでだろうと思っていた私だが、リビングにある本棚の中身を見たら、お姉ちゃんが何でそんなことを言ったのかがわかる。だって、大河さんの持っている本のほとんどのヒロインが、後輩だからだ。きっとお姉ちゃんはこのことを知っているからあんなことを言ったんだろう。そんなことを考えていると、大河さんが

「初めまして。凛花さん。えっと、その、話すのも初めてだし、いろいろ聞きづらいかもしれないけど、何かわからないことがあったら聞いてください。」

と言ってきた。そうだよね。覚えてないよね。だってあの時、私はお姉ちゃんのお振りをしていたんだから。まあ、仕方ないよね。でも大河さん、優しいところは変わってないな。だって普通、友達の妹と一緒に暮らすなんてオッケーしないでしょ。それに年下相手に敬語使ってくれるなんて、どんだけいい人なのよ。はぁ。もうこんなの

もっと好きになっちゃうじゃん。本当にずるいよ。絶対に、絶対に私に惚れてもらうんだからね!

だ〜か〜ら、覚悟しておいてね、大河先輩。

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