たとえば和歌を詠むように…

ましま志乃

エピローグ1 姫よ 夢か 真か

また、君に出会ってしまった。


ここ1ヶ月ほど君の夢を見続けている。


だが、僕にはわからない。君が生きている世界は、きっと僕のそれとは違うんだ。


君の姿や君を取り巻く環境、全てが僕のそれとは違う。


人々は小さな四角いなにかを手にし、ずっとそれを触ったり眺めたりしている。そこからヒモのようなものが流れ、耳に続いている人もいる。大きな箱から人の顔や音が流れていて、人はそれを見て笑ったり泣いたりしている。人々はそれぞれ違った髪の色や長さをしている。服も僕たちの着物のつぎはぎのような色とりどりの服を着ていて、短かいものや、長いものがある。


よくわからないけど確実に言えることは、きっと君は未来を生きてるんだ。それがどれくらい先の未来かはわからない。


いつか君に会えたらなって思うけど、その時まで僕は生きているだろうか。


今日もまた、僕は君のために和歌を詠む。


君の、君だけのために…。

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